「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」の書き方|路線価方式の記入手順

路線価方式で宅地を評価するときは「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」第1表に地積・路線価・補正率を順に記入し、第2表で貸宅地や貸家建付地などの減額を計算します。各欄の記入手順と計算例、間違えやすい補正率の扱いを解説します。

路線価がある地域の宅地は、国税庁の様式「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」を使って評価額を計算し、相続税申告書に添付します。第1表で自用地としての価額を出し、第2表で貸している土地などの減額を反映する2段構成です。土地1筆(または評価単位1つ)ごとに1枚作ります。

第1表の記入手順

  1. 所在地番・地目・地積:登記事項証明書と固定資産税の課税明細書で確認し、実測と大きく違えば測量図を添える
  2. 路線価:路線価図からその土地が接する道路の路線価(千円単位)を書く。角地なら正面・側方、2つの道路に挟まれていれば正面・裏面の路線価も書く
  3. 間口距離・奥行距離:公図や測量図から読み取る。奥行は不整形なら「地積÷間口」で計算した想定奥行を使うことがある
  4. 奥行価格補正率:奥行距離と地区区分(普通住宅地区など)から補正率表で求める
  5. 側方路線影響加算・二方路線影響加算:角地などで加算
  6. 不整形地補正・間口狭小補正・奥行長大補正・がけ地補正:該当するものを順に掛ける
  7. 規模格差補正:三大都市圏なら500㎡以上の宅地で検討
  8. 自用地1㎡当たりの価額×地積=自用地の価額

たとえば路線価30万円、地積150㎡、奥行価格補正率1.00、間口が狭いため間口狭小補正率0.94の土地なら、30万円×0.94=28.2万円、28.2万円×150㎡=4,230万円が自用地の価額です。

第2表の記入

第2表には、自用地価額を元にした減額計算を書きます。

  • 貸宅地:自用地価額×(1-借地権割合)
  • 貸家建付地:自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
  • 借地権:自用地価額×借地権割合
  • 私道・セットバック部分・都市計画道路予定地:それぞれの減額

小規模宅地等の特例はこの明細書ではなく、申告書の付表で計算します。

間違えやすい点

  • 複数の筆でも一体で使っている土地は1つの評価単位で評価する(逆に、自宅と貸家の敷地は分ける)
  • 間口・奥行を課税明細書の「間口」欄から写してしまう(固定資産税の数値は使わない)
  • 補正率を掛ける順番や、不整形地補正と間口狭小補正の併用制限を誤る
  • 地区区分を路線価図の記号で確認せず、普通住宅地区で計算してしまう

土地評価は、補正を一つ見落とすだけで数百万円の差が出ることがあります。評価明細書の控えは、相続後に土地を売却するときや二次相続でも使うため、計算過程が分かる形で保管してください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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