弔慰金の非課税限度の計算例|「普通給与」の判定と限度を超えた分は退職金扱い

会社から支給される弔慰金は、業務上の死亡なら普通給与の36か月分、業務外なら6か月分まで相続税がかかりません。普通給与に賞与は含めないなど判定のポイントと、限度を超えた部分が退職手当金等として扱われる計算例を示します。

会社から遺族に支給される弔慰金・花輪代・葬祭料などは、社会通念上相当な額であれば相続税の対象になりません。ただし無制限ではなく、普通給与をもとにした限度額があり、超えた部分は退職手当金等として扱われます。計算の手順を具体例で確認します。

非課税の限度額

死亡の種類 限度額
業務上の死亡 死亡時の普通給与×36か月分
業務上以外の死亡 死亡時の普通給与×6か月分

「普通給与」とは、俸給・給料・賃金・手当など毎月支給される給与の額で、賞与は含めません。役員であれば月額の役員報酬がこれにあたります。通勤手当や家族手当のような手当は普通給与に含める扱いが一般的ですが、判断に迷う項目は最新の取扱いを確認してください。

「業務上の死亡」は、業務中の事故や業務に起因する病気による死亡をいい、通勤途中の死亡は含まれると解されますが、持病による死亡は通常「業務上以外」です。

計算例:業務外の死亡で弔慰金500万円

役員報酬が月額60万円(賞与なし)の取締役が病気で亡くなり、会社が弔慰金500万円を支給したケースです。法定相続人は配偶者と子1人の2人とします。

  1. 普通給与60万円×6か月=360万円が弔慰金として非課税
  2. 500万円-360万円=140万円は退職手当金等として扱う
  3. 退職手当金等の非課税枠は500万円×2人=1,000万円

会社から別に死亡退職金1,500万円が支給されていれば、退職手当金等の合計は1,500万円+140万円=1,640万円、非課税枠1,000万円を引いた640万円が相続税の課税対象になります。弔慰金の限度超過分が退職金に合算される点がポイントです。

よくある誤りと注意点

  • 退職金の名目で支給したものを弔慰金として扱うことはできません。会社の決議や支給明細で「弔慰金」として区分されていることが前提です
  • 退職金規程に「弔慰金は退職金の一部」と定めている場合、実質が退職金と判断されることがあります
  • 普通給与に賞与を含めて限度額を多く計算してしまう誤りが多く見られます
  • 生命保険金の非課税枠とは別の制度です。団体保険から会社が受け取った保険金を弔慰金として支給する場合も、上の限度で判定します
  • 業務上の死亡かどうかで限度が6倍違うため、労災認定の有無や死亡の経緯の資料を揃えておきます

弔慰金・退職金・団体保険は会社からの支給明細を1枚ずつ区分して確認することが、申告ミスを防ぐ近道です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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