外貨建て財産の相続税評価|円換算はTTB、外貨建て債務はTTSで計算する

外貨預金・外国株式・外貨建て保険などは、亡くなった日のTTB(対顧客電信買相場)で円に換算します。外貨建ての借入金などの債務はTTSです。どの銀行のレートを使うか、相場のない日の扱い、計算例と証明資料の集め方を解説します。

海外の銀行口座、外貨預金、米国株、外貨建ての生命保険など、外貨で持っている財産は、相続税の申告では円に換算して評価します。換算に使うレートは、ニュースで見る「1ドル=〇〇円」という仲値ではなく、金融機関が公表する特定のレートです。

財産はTTB、債務はTTS

対象 使うレート 意味
外貨建ての財産 TTB(対顧客直物電信買相場) 銀行が顧客から外貨を買う(顧客が外貨を円に換える)レート
外貨建ての債務 TTS(対顧客直物電信売相場) 銀行が顧客に外貨を売る(顧客が円で外貨を買う)レート

財産は「円に換えたらいくらになるか」、債務は「返済のために外貨を買ったらいくらかかるか」という考え方です。TTBはTTSより低いため、財産は低めに、債務は高めに評価されます。

どの金融機関のレートを使うか

原則として、納税者(相続人)の取引金融機関が公表する課税時期(亡くなった日)のレートを使います。外貨預金ならその預金がある銀行、外国株式ならその証券会社の為替レートが基本です。複数の金融機関に財産がある場合、それぞれの金融機関のレートを使ってもよいですし、主要な取引銀行のレートで統一しても差し支えないとされています。

課税時期に相場がない場合

亡くなった日が土日祝日や金融機関の休業日で、その日のレートが公表されていない場合は、課税時期前の最も近い日のレートを使います。課税時期の後の日のレートは使いません。

計算例

亡くなった日のTTBが1ドル=148.50円、TTSが150.50円の場合。

  • 米ドル預金 5万ドル:5万ドル × 148.50円 = 742万5,000円
  • 米国株式(上場株式の評価方法で求めた価額)3万ドル:3万ドル × 148.50円 = 445万5,000円
  • 米ドル建て住宅ローンの残債 2万ドル(債務):2万ドル × 150.50円 = 301万円

財産ごとの注意点

  • 外国株式:まず現地通貨で上場株式の評価方法(終値や月平均の最低額)を適用し、その後にTTBで換算します。月平均は現地の株価の平均で、為替は課税時期のTTBを一度だけ掛けます
  • 外貨建て生命保険:保険会社が外貨で算定した保険金額を、課税時期のTTBで換算します
  • 外貨建てMMF・債券:それぞれの評価方法で外貨の価額を出してから換算します

資料の集め方

過去のTTB・TTSは金融機関のウェブサイトで確認でき、古い日付は問い合わせが必要な場合があります。残高証明書に外貨残高と円換算額の両方を記載してもらい、換算レートの種類(TTBかどうか)を確認してください。仲値で換算された残高証明をそのまま使うと、評価額がずれます。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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