都市計画道路予定地の相続税評価|建築制限がある土地の減額と補正率の見方

都市計画道路の予定地に含まれる宅地は、建物の階数や構造に制限があるため、地区区分・容積率・予定地の地積割合に応じた補正率で減額できます。都市計画図での確認方法と計算例、申告後に気づいた場合の対応も解説します。

将来の道路拡幅のために「都市計画道路」として計画決定された区域に土地の一部がかかっていると、その部分には建物の階数や構造に制限がかかります(計画決定後、事業に着手するまでの間)。相続税評価では、この制限を考慮して評価額を下げることができますが、路線価図には表示されないため、調べなければ気づけない減額要素です。

確認方法

市区町村の都市計画課や都市計画情報の閲覧サイトで、評価する土地に都市計画道路の区域がかかっているかを確認します。かかっている場合は、その区域が土地全体のどの部分を占めるか(地積割合)を図面上で測ります。すでに事業が始まって買収が進んでいる区域とは扱いが異なります。

補正率の決まり方

補正率は次の3つの組み合わせで国税庁の付表に定められています。

  1. 地区区分(ビル街・高度商業・繁華街・普通商業・併用住宅・普通住宅など)
  2. 容積率(300%未満・300%以上など、地区ごとに区切り)
  3. 都市計画道路予定地の地積割合(30%未満・30%以上60%未満・60%以上)

地積割合が大きいほど、また容積率が高い地区ほど減額が大きくなります。普通住宅地区・容積率200%未満の土地では、地積割合30%未満で0.9台後半、60%以上でも0.9程度の補正率です。商業地区で容積率の高い土地では、より大きく下がります。

計算例

普通住宅地区、容積率200%、地積250㎡の宅地のうち、都市計画道路予定地が100㎡(地積割合40%)含まれる場合。通常の路線価評価(補正後)が5,000万円とします。

  • 地積割合:100㎡ ÷ 250㎡ = 40% → 30%以上60%未満の区分
  • 付表で補正率を確認(仮に0.94とします)
  • 評価額:5,000万円 × 0.94 = 4,700万円

注意点

この補正は、宅地全体に対して補正率を掛けます(予定地部分だけに掛けるのではありません)。また、容積率は評価する宅地の指定容積率を使い、2つの容積率にまたがる場合は按分して判定します。

都市計画道路予定地の減額は、計画決定から何十年も経過して住民も忘れているような路線でも適用できます。古くからの住宅地では意外に多く、申告後に気づいた場合は更正の請求(5年以内)で還付を受けられる可能性があります。土地の評価をする際は、必ず都市計画図を確認する習慣が大切です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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