自宅の建て替え中に相続が起きたら小規模宅地等の特例は使える?|建築中の土地の扱い

建て替えや新築の工事中に相続が始まった場合でも、工事前に被相続人が住んでいて完成後も親族が居住する見込みなら小規模宅地等の特例が認められる余地があります。判断のポイントと申告で用意する資料を解説します。

自宅を建て替えている最中に所有者が亡くなると、「相続の時点で建物が存在しない土地」に小規模宅地等の特例を使えるのかという問題が生じます。結論から言うと、建築中の建物に被相続人や生計を一にする親族が居住する予定だったなど一定の事情があれば、特例の対象となる余地があります。ただし通常のケースより確認すべき点が多く、資料も増えます。

なぜ問題になるのか

特定居住用宅地等の要件は、相続開始の直前に「被相続人等の居住の用に供されていた宅地」であることです。建て替え中は建物がなく、被相続人は仮住まいに移っていることが多いため、形式的には「居住の用に供されていた」とは言いにくい状態です。

しかし、建て替えは生活の本拠を移す行為ではありません。そのため実務では、工事の着手前に被相続人が住んでいた土地で、完成後も引き続き居住する予定だったと認められる場合には、居住用宅地として扱うことができると考えられています。

認められるための主なポイント

一般的に次のような事情が整っていると、適用に向けた説明がしやすくなります。

  • 工事前まで被相続人がその土地の建物に住んでいた
  • 建築中の建物を、被相続人または生計を一にする親族が住む目的で建てていた
  • 相続開始後、完成した建物に取得した親族が実際に居住し、申告期限まで保有している
  • 取得者が配偶者、同居親族、または要件を満たす別居親族(家なき子)である

逆に、建て替え後の建物を他人に貸す予定だった場合や、建築主が被相続人ではなく別の親族で生計も別だった場合は、居住用としての適用が難しくなります。

申告で用意しておきたい資料

建築中の土地は「相続開始時点の状況」を書類で示す必要があります。工事請負契約書、建築確認済証、工事の着工日や完成予定日が分かる資料、仮住まいの賃貸借契約書、完成後の住民票の異動記録などをそろえておくと安心です。

また、建物の評価にも注意が必要です。建築途中の建物は「建築中の家屋」として、投下した費用の額をもとに評価するのが原則です。土地だけでなく建物の評価方法も通常と異なるため、合わせて確認しましょう。

実務上の対応

建て替え中の相続はケースごとに事実関係が異なり、適用の可否は個別判断になります。特例が使えるかどうかで税額が数百万円単位で変わることもあるため、申告期限の10か月を待たず早めに相談されることをおすすめします。無料相談で状況をお聞かせください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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