精算課税で贈与した土地・建物が災害に遭ったら|被災額を引いて相続税を再計算(2024年〜)

相続時精算課税で贈与を受けた土地や建物が、贈与後に災害で価額の10%以上の被害を受けた場合、2024年以後の贈与なら被災額を差し引いた価額で相続財産に加算できます。対象となる財産・被害の程度・申請の期限と計算例を解説します。

相続時精算課税で贈与を受けた財産は、贈与した人が亡くなったとき「贈与時の価額」で相続財産に加算されます。これまでは、贈与後に地震や水害で建物が壊れても贈与時の価額のまま課税されていました。2024年1月1日以後の贈与から、一定の災害被害があれば被災額を差し引いて加算できる仕組みが設けられました。

対象になる財産と被害の程度

  • 対象は相続時精算課税で贈与を受けた土地と建物(現金や株式は対象外)
  • 贈与を受けた日から、贈与者の死亡に係る相続税の申告期限までの間に災害で被害を受けたこと
  • 被害額(保険金などで補てんされる部分を除く)が、その土地・建物の贈与時の価額の10%以上であること

災害とは震災、風水害、火災、火山の噴火など、政令で定められるものを指します。経年劣化や自己都合の取り壊しは含まれません。

計算のイメージ

父から2024年に贈与時の価額3,000万円の建物を精算課税で受け、2027年の台風で1,200万円の被害(保険金控除後)を受けたとします。被害割合は1,200万円÷3,000万円=40%で10%以上です。父の相続では 3,000万円−1,200万円=1,800万円 を相続財産に加算します。従来の仕組みでは3,000万円のままでした。なお、贈与時に特別控除や基礎控除を使った計算はそのままで、加算する価額だけが減ります。

手続きと注意点

この取扱いは自動では適用されません。受贈者が、災害のあった日から3年以内に、被災額を証明する書類(罹災証明書、修繕の見積書、保険金の支払通知など)を添えて贈与税の納税地の税務署長に申請し、承認を受ける必要があります。その後、相続税の申告で承認を受けた金額を反映させます。

贈与者の相続が先に発生し、相続税の申告期限までに災害が起きたケースでも対象になり得ますが、期限との関係が複雑です。該当しそうなときは、早めに専門家へ相談してください。制度の細かな要件は改正されることがあるため、最新の情報も確認しましょう。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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