相続税の延納申請の手続き|担保の種類・延納期間の判定表・利子税の目安

延納は申告期限までに延納申請書と担保提供関係書類を提出し、税務署の審査を経て許可されます。担保にできる財産の種類、不動産等の割合で決まる延納期間(最長20年)と利子税、特例割合で年1%未満になる目安、審査期間と却下後の対応を解説します。

相続税を一括で納められないとき、延納は年払いで最長20年に分けて納める制度です。ただし、申請は申告期限まで、担保の提供が原則必要、期間と利子税は財産の構成で決まる、という細かいルールがあります。ここでは申請手続きを順に整理します。

申請の要件と手続き

  1. 相続税額が10万円を超え、金銭で一度に納めることが困難な理由があること(相続した預貯金と自分の手持ち資金で納められる額を超える部分に限られます)
  2. 申告期限までに「延納申請書」と「金銭納付を困難とする理由書」を提出する
  3. 延納税額が100万円を超えるか、延納期間が3年を超える場合は担保を提供する(担保提供関係書類を同時に提出。期限内に間に合わなければ最長6か月の提出期限延長の届出ができる)
  4. 税務署は申請から3か月以内に許可・却下を決める(担保の状況によって最長6か月延長)

却下された場合でも、通知を受けた日の翌日から20日以内に物納へ変更して申請することができます。

担保にできる財産

  • 国債・地方債、税務署長が認める社債や有価証券
  • 土地
  • 建物・立木・船舶など(保険が付いているもの)
  • 鉄道財団・工場財団など
  • 税務署長が認める保証人の保証

実務では相続した土地を担保にするのが最も多く、抵当権設定の登記が必要です。共有の土地や、境界が不明確な土地は担保として認められにくい点に注意してください。

延納期間と利子税の判定表

延納期間と利子税は、相続財産に占める不動産等(不動産、立木、事業用の減価償却資産、同族会社の株式など)の割合で決まります。

不動産等の割合 区分 延納期間 利子税(原則)
75%以上 不動産等に対応する税額 20年 3.6%
75%以上 その他の財産に対応する税額 10年 5.4%
50%以上75%未満 不動産等に対応する税額 15年 3.6%
50%以上75%未満 その他の財産に対応する税額 10年 5.4%
50%未満 全体 5年 6.0%

利子税には特例割合があり、各年の延納特例基準割合に応じて軽減されます。低金利が続く近年は、原則3.6%の区分で年0.4〜0.5%程度、6.0%の区分でも年1%未満に収まっています(年ごとに変動するため、最新の割合を確認してください)。

申請前に考えておくこと

  • 延納の利子税は所得税の必要経費になりません。金融機関の借入金利と比べて判断します
  • 担保にした不動産は、延納中は売却が難しくなります

申請書類は分量が多く、担保の登記も必要です。申告期限の2〜3か月前から準備を始めることをおすすめします。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

無料相談を予約する相続税シミュレーション

他の記事

← 記事一覧へ

電話で相談無料相談を予約