重加算税35%が課される典型例|「仮装・隠ぺい」と単なる申告漏れの線引き

重加算税は、意図的に隠す・虚偽の説明をするなど「仮装・隠ぺい」があった場合に、過少申告なら35%、無申告なら40%で課されます。評価誤りや認識不足による申告漏れとの線引きと典型例、延滞税の除算がなく除斥期間も7年になる点を解説します。

相続税の申告漏れが見つかったとき、通常は過少申告加算税(10%・15%)で済みますが、**事実を仮装したり隠ぺいしたりした部分には重加算税(過少申告の場合35%、無申告の場合40%)**が課されます。同じ金額の申告漏れでも、負担は数倍違います。どこからが「仮装・隠ぺい」なのか、典型例と線引きの考え方を解説します。

重加算税が課される典型例

  • 被相続人の通帳や証書を調査官に見せず、「存在しない」と説明した
  • 相続開始直前に多額の現金を引き出し、相続人が保管していながら申告せず、調査で「使った」と虚偽の説明をした
  • 被相続人の預金を相続後に家族名義に移し替え、もとから家族の財産であるように装った
  • 貸金庫の中身を相続後に持ち出して、申告からも調査の説明からも外した
  • 実際にはない債務を計上したり、架空の領収書で葬式費用を水増ししたりした
  • 税理士に財産の一部を意図的に伝えず申告させた

共通するのは、「相続財産であることを知りながら、分からないように工作した」という点です。

単なる申告漏れにとどまる例

  • 土地の評価で補正率を誤った、小規模宅地等の適用要件を誤解していた
  • 被相続人が家族に知らせていなかった口座や保険が後で見つかった
  • 名義預金について「贈与されたものと思っていた」と説明し、通帳を隠さず提示した
  • 相続開始直前の出金を申告していなかったが、通帳を提示し、使途を記憶の範囲で正直に説明した

これらは「仮装・隠ぺい」とはいえず、過少申告加算税(または無申告加算税)にとどまるのが一般的です。ただし、名義預金を相続人が自ら管理して被相続人の財産と認識していながら申告から外した場合は、重加算税と判断された例もあります。調査での説明態度(虚偽答弁の有無)が大きく影響します。

重加算税になるとほかにも不利が重なる

  1. 延滞税の計算期間の特例が使えない:通常は申告期限から1年を超える期間が除かれますが、重加算税の対象部分は相続開始から納付までの全期間に延滞税がかかります
  2. 除斥期間が7年に延びる:偽りその他不正の行為があると、税務署が更正できる期間が5年から7年になります
  3. 過去5年以内に重加算税を受けていると、さらに10%加重されます

実務上の対応

調査で「これは重加算税の対象です」と言われても、仮装・隠ぺいの事実は税務署側が立証する必要があります。相続人の認識や行為の経緯を、税理士とともに整理して説明することが重要です。そして最善の防止策は、申告前に家族名義の口座と直前の出金を洗い出し、迷うものは計上しておくことです。隠したつもりがなくても、説明の仕方次第で評価が変わる領域だと理解しておいてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

無料相談を予約する相続税シミュレーション

他の記事

← 記事一覧へ

電話で相談無料相談を予約