税務調査が終わると、結果は大きく**「是認」「修正申告の勧奨」「更正」**の3つのどれかに落ち着きます。修正申告の勧奨を受けたときに、応じるのか、あえて応じずに更正を待って争うのかは、相続人の判断です。それぞれの意味と、その後の流れを整理します。
調査結果の3つの形
- 申告是認:申告内容に誤りがないと判断された場合。「更正決定等をすべきと認められない旨の通知書」が書面で届きます
- 修正申告の勧奨:申告漏れや評価誤りが見つかった場合、調査官が内容を説明し、相続人が自ら修正申告書を出すよう勧めます。応じれば調査は終了します
- 更正:修正申告に応じない場合に、税務署長が税額を職権で決め直す処分です。更正通知書が届き、その内容に不服があれば申立てができます
調査の終了時には、調査官から調査結果の内容(指摘事項・追加税額・加算税の見込み)の説明を受ける手続きが法律で定められています。この説明を聞いてから、修正申告に応じるかを決めます。
修正申告に応じるかの判断
修正申告をすると、その内容について自分で不服申立てをすることはできなくなります(更正の請求は可能)。したがって次のように整理します。
- 申告漏れの事実が明らか(名義預金の入金元がはっきりしている、保険金の計上漏れなど)→ 修正申告に応じる
- 土地の評価方法や財産の帰属など、見解が分かれる論点で争う余地がある → 修正申告せず更正を受けて不服申立てを検討する
- 一部は認め、一部は争う → 認める部分だけ修正申告し、残りは更正を待つ
更正になっても加算税の割合は修正申告と同じで、争うこと自体に不利益はありません。
不服申立ての流れ
| 段階 | 申立先 | 期限 |
|---|---|---|
| 再調査の請求 | 税務署長 | 更正通知を受けた日の翌日から3か月以内 |
| 審査請求 | 国税不服審判所 | 更正通知の翌日から3か月以内(再調査の決定を経る場合は決定の翌日から1か月以内) |
| 訴訟 | 地方裁判所 | 裁決を受けた日の翌日から6か月以内 |
再調査の請求を飛ばして、いきなり審査請求をすることもできます。審査請求は税務署から独立した審判所が判断し、費用はかかりません。ただし、不服申立て中も納税は原則として止まらず、納付が遅れれば延滞税がかかります。争う場合でも、いったん納付してから還付を求める方が安全です。
調査の終盤では、修正申告書の作成を調査官に急かされることもあります。説明の内容を書面で受け取り、税理士と検討する時間を取ってから回答して構いません。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。