相続税の申告のうち実地調査を受けるのは一部で、税務署は限られた人員で**「申告漏れの可能性が高い申告」**を選んで調査に入ります。どのような申告が選ばれやすいかを知れば、申告書を作る段階で対策ができます。ここでは一般的に指摘されている特徴を整理します。
調査対象に選ばれやすい申告の特徴
- 課税価格が大きい:財産が多いほど申告漏れの金額も大きくなりやすく、調査の優先度が上がる
- 金融資産の割合が高い、または生前の動きが大きい:預貯金・有価証券が多い相続は、名義預金や生前の資金移動の確認が必要と判断されやすい。相続開始前に多額の出金がある場合は特に
- 相続人の資産が収入に比べて多い:配偶者や子の名義の預金・不動産が、本人の収入では説明できない
- 不動産の評価件数が多い:評価誤りが起こりやすく、評価明細書の記載が不十分だと確認の対象になる
- 生前の所得から推定される財産に比べて、申告された財産が少ない:退職金や不動産の売却代金の行き先が申告書に見当たらない
- 税理士が関与していない、または書面添付がない:計算誤りや財産の計上漏れの可能性が高いと見られる
- 「お尋ね」に回答していない、回答と申告内容が違う
- 海外送金や国外財産調書の情報と申告の内容が一致しない
- 申告書の記載に不備が多い:添付書類の不足、第15表の合計の不一致など
これらの特徴があっても必ず調査になるわけではなく、逆に特徴が少なくても調査は行われます。
調査を受けにくい申告の作り方
- 通帳の履歴を5〜10年分確認し、大きな出金の使途を整理してから申告する。説明できない出金は現金として計上する
- 家族名義の口座を洗い出し、名義預金かどうかを検討した経緯を残す
- 生命保険・退職金・株式など、支払調書で税務署に届く財産を漏れなく計上する
- 土地の評価明細書は、補正の根拠(測量図・写真・役所の資料)を添付する
- 税理士法33条の2の書面添付を利用し、確認した内容を書面で示す
- 「お尋ね」には期限内に、申告内容と整合する回答をする
調査を「恐れる」より「備える」
調査が来やすい特徴の多くは、相続人の側ではどうにもならないもの(財産の規模や構成)です。一方で、申告の丁寧さは相続人と税理士の側で決められます。調査に備えた申告をしていれば、仮に調査が来ても短時間で是認に終わる可能性が高くなります。申告前の段階で無料相談にお越しいただければ、調査リスクの高い項目を一緒に点検します。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。