「お尋ね」・書面照会・電話での問い合わせ|実地調査ではない接触への対応と加算税の違い

税務署からの接触には、実地調査のほかに「お尋ね」、書面照会、電話での問い合わせ、来署依頼があります。これらは原則として行政指導で、指摘を受けて自主的に修正申告すれば加算税がかからない(無申告なら5%)扱いになる点と、対応方法を解説します。

税務署からの連絡は、すべてが「税務調査」ではありません。「相続についてのお尋ね」のほか、申告後に届く書面での照会、電話での確認、税務署への来署のお願いは、法律上は調査ではなく行政指導として行われることが多く、対応の仕方と加算税の扱いが実地調査とは異なります。

接触の種類と性質

種類 内容 性質
お尋ね(相続についてのお尋ね) 申告が必要かどうかの確認。財産の概算を記入して返送 行政指導
書面照会 申告書の特定の項目(保険金の受取人、土地の評価、債務など)について資料や説明を求める文書 行政指導が多い
電話での確認 記載の不備、添付書類の不足、計算の確認 行政指導
来署依頼 税務署で説明を求める。申告漏れの可能性を具体的に指摘されることもある 内容によって調査に移行
実地調査 事前通知のうえ自宅等を訪問 調査

行政指導か調査かは、連絡の際に**「これは調査ですか」と確認**すれば答えてもらえます。調査であれば事前通知の手続きが必要です。

加算税の扱いが違う

接触の性質によって、修正申告したときの加算税が変わります(2026年時点)。

  • 行政指導を受けて自主的に修正申告:過少申告加算税はかからない。期限後申告なら無申告加算税5%
  • 調査の事前通知を受けた後、指摘前に修正申告:過少申告加算税5%(50万円超の部分10%)、無申告加算税10%(50万円超15%、300万円超25%)
  • 調査で指摘されてから修正申告:過少申告加算税10%(50万円超15%)、無申告加算税15%(50万円超20%、300万円超30%)

つまり、書面照会や電話の段階で申告漏れに気づいたら、その時点で修正申告するのが最も負担が軽いということです。

対応の手順

  1. 連絡の内容(照会事項・期限・担当者)をメモし、申告を依頼した税理士に伝える
  2. 照会された項目の根拠資料(残高証明書、評価明細書、契約書など)を確認する
  3. 誤りがあれば修正申告書を作り、照会への回答と一緒に提出する
  4. 誤りがなければ、資料を添えて説明の回答書を送る
  5. 回答期限に間に合わないときは、電話で延長を申し出る(放置すると調査に移行しやすい)

注意点

  • 回答を放置したり、曖昧な回答を続けたりすると、実地調査の選定対象になりやすい
  • 電話で聞かれたことに記憶だけで答え、後で資料と食い違うことがある。「確認して折り返します」で構わない
  • 来署依頼で持参を求められた資料は、税理士が同席して持参するのが安全

書面照会はお尋ね以上に「申告内容の特定の箇所を疑っている」合図です。早めに整理すれば、実地調査なしで終わることも多いといえます。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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