親が青色申告で賃貸経営をしていた場合、「親が青色だったから自分も自動的に青色」とはなりません。相続人が自分の名前で青色申告承認申請書を税務署に出さなければ、初年度は白色申告になります。期限は意外と短く、死亡日によって変わるので、早めに確認してください。
期限は死亡日で3つに分かれる
被相続人が青色申告をしていた場合、業務を引き継いだ相続人の提出期限は次のとおりです。
| 死亡日 | 青色申告承認申請書の提出期限 |
|---|---|
| 1月1日〜8月31日 | 死亡日から4か月以内 |
| 9月1日〜10月31日 | その年の12月31日 |
| 11月1日〜12月31日 | 翌年の2月15日 |
たとえば5月10日に亡くなった場合は9月10日まで、10月20日に亡くなった場合は12月31日までです。期限が土日祝日なら翌開庁日まで延びます。
被相続人が白色申告だった場合
被相続人が白色申告だったときは、相続人が「新たに業務を開始した」扱いになります。その年の1月16日以降に業務を開始した場合は開始日(相続開始日)から2か月以内、1月15日までなら3月15日が期限です。被相続人の申告状況によって期限が変わるので、まず被相続人の申告書控えで青色か白色かを確認してください。
提出が遅れるとどうなるか
期限を過ぎると承認は翌年分からになり、相続した年の不動産所得は白色申告です。具体的には次の不利益があります。
- 青色申告特別控除(事業的規模なら最大65万円、それ以外は10万円)が使えない
- 不動産所得の赤字を翌年以降3年間繰り越せない
- 事業的規模の場合の青色事業専従者給与が経費にならない
相続した年は、登記費用や修繕費で赤字になることも多く、繰越控除が使えないのはもったいない結果になります。
一緒に出しておきたい届出
青色申告承認申請書と同時に、相続人の「個人事業の開業届出書」も提出します。被相続人側は「個人事業の廃業届出書」と「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を、準確定申告(4か月以内)と合わせて出すのが一般的です。消費税の課税事業者だった場合は消費税側の届出も必要です。相続税の申告は10か月後ですが、所得税の届出は数か月で期限が来るため、死亡後の手続きリストの早い段階に入れておきましょう。手続きの順番に迷う方は無料相談で整理をお手伝いします。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。