亡くなった方の名義のまま、固定資産税や自動車税の納税通知書が届いて戸惑う相続人は多いものです。これらの税金は「死亡したから免除」にはならず、相続人が納める義務を引き継ぎます。本記事では、通知書が届いたときの対応手順と、相続税での扱いを整理します。
課税の基準日と納税義務者
| 税金 | 基準日 | 死亡後の扱い |
|---|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 1月1日の所有者 | 1月1日時点で存命なら、その年度分の全額を相続人が納める |
| 自動車税(種別割) | 4月1日の所有者 | 4月1日時点で存命なら、その年度分を相続人が納める |
1月1日より前に亡くなっていた場合、その年度の固定資産税は相続人(または登記名義が変わるまでの間は相続人全員)に課税されます。市区町村は死亡を把握しても、誰に通知を送るか分からないため、相続人代表者指定届の提出を求めてきます。提出がないと通知が届かず、納期限を過ぎて延滞金が付くことがあります。
納付の仕方
- 被相続人の口座振替は、口座凍結で引き落とされなくなります。市区町村に連絡して納付書での納付に切り替えるか、相続人の口座振替に変更します
- 納税通知書の宛名が被相続人のままでも、相続人が納付書で納めることに問題はありません
- 相続人が複数いる場合、誰が立て替えるかを決め、遺産分割の際に精算します
自動車税は、相続後に車を廃車にすれば月割で還付されます。使わない車は、名義変更より先に抹消登録を検討するとよいでしょう。
相続税での扱い
死亡時点で納期が来ていない固定資産税でも、1月1日に納税義務が成立しているため、その年度の未納分は全額を債務控除できます。自動車税も4月1日に成立していれば同様です。
例:3月に死亡、固定資産税の年額 36万円(4期払い)、納税通知は5月に到着 1月1日時点で納税義務が成立 → 36万円全額を債務控除
死亡後に相続人が納付した場合でも、被相続人の債務であることに変わりはありません。一方、死亡の翌年度の固定資産税は、相続人自身の税金であり、債務控除の対象外です。
準確定申告・不動産所得との関係
被相続人がアパートなどを貸していた場合、固定資産税は不動産所得の必要経費になります。準確定申告では、死亡日までに納税通知が届いていた分を経費にするのが原則で、死亡後に通知が届いた分は相続人の不動産所得の経費になります。相続税の債務控除と所得税の必要経費は別の制度なので、両方で使っても問題ありません。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。