相続した不動産を売却したときの税金|取得費の引き継ぎと使える特例

相続した土地や建物を売ると、売却益に所得税・住民税がかかります。取得費は亡くなった方の購入価格を引き継ぎ、不明なら売却額の5%です。取得費加算・空き家特例・居住用の3,000万円控除の使い分けを解説します。

相続した不動産を売却すると、相続税とは別に、売却益に対する**所得税・住民税(譲渡所得税)**がかかります。「相続のときに税金を払ったのに」と思われがちですが、別の税金です。

譲渡所得の計算

譲渡所得 = 売却価格 − (取得費 + 譲渡費用)

  • 取得費:亡くなった方がその不動産を買ったときの価格をそのまま引き継ぎます(建物は減価償却後の額)。購入時の契約書や領収書を探しましょう
  • 取得費が分からない場合:売却価格の5%を取得費とします(概算取得費)。古くから所有している土地では、売却益のほとんどが課税対象になります
  • 譲渡費用:仲介手数料、測量費、建物の取り壊し費用、印紙代など

税率

所有期間は亡くなった方の取得日から数えます。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得(税率約20%)、5年以下なら短期譲渡所得(約39%)です。相続してすぐ売っても、亡くなった方が長く持っていれば長期になります。

使える特例

  • 取得費加算の特例:相続税の申告期限から3年以内の売却で、納めた相続税の一部を取得費に加算
  • 空き家の3,000万円特別控除:亡くなった方が一人で住んでいた古い家を売る場合
  • 居住用財産の3,000万円特別控除:相続人自身がその家に住んでいて、自宅として売る場合
  • 取得費が分からない場合の工夫:当時の購入価格を示す資料(登記の抵当権額、市街地価格指数など)から合理的に推計する方法が認められることもあります

どの特例が使えるかで税額が数百万円変わることがあるため、売却前に確認することをおすすめします。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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