婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産(またはその取得資金)を贈与すると、基礎控除110万円とは別に2,000万円まで控除できます。この記事では、申告時の添付書類と、贈与後に離婚や死亡があった場合の扱いに絞って解説します。
申告に添付する書類
配偶者控除は申告して初めて適用されます。贈与の翌年3月15日までに、次の書類を贈与税申告書に添付します。
- 贈与日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本または抄本(婚姻期間20年以上の確認用)
- 同じく贈与日から10日経過後に作成された戸籍の附票の写し(居住の確認用)
- 居住用不動産の登記事項証明書など、取得したことが分かる書類
「10日経過後」は、贈与による登記が反映された後の書類を求める趣旨です。贈与の翌年3月15日までにその家に住み、その後も住み続ける見込みであることも要件です。
贈与後に離婚した場合
要件は贈与時点で判定します。贈与時に婚姻20年以上で、翌年3月15日までに居住していれば、その後に離婚しても配偶者控除は取り消されません。ただし、離婚を前提に財産分与の代わりとして贈与を使う場合は、贈与後すぐ離婚する流れが不自然とみられることもあるため、慎重な検討が必要です。離婚後の財産分与は本来、贈与税の対象外です。
贈与後に夫婦のどちらかが亡くなった場合
贈与した側が先に死亡: 配偶者控除を受けた2,000万円までの部分は、相続開始前7年以内の贈与でも相続財産に持ち戻されません。贈与した年に亡くなった場合も、贈与税申告で配偶者控除を受ければ加算不要です。これが配偶者控除の最も大きな利点です。
もらった側が先に死亡: 贈与された不動産はその人の相続財産として相続税の対象になります。贈与税の申告前に亡くなった場合は、相続人が代わりに申告して配偶者控除を適用できます。
配偶者控除は同じ配偶者からは一生に一度しか使えません。不動産取得税や登録免許税のコスト、二次相続への影響も踏まえ、使うかどうかを検討してください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。