定期金の贈与とは?「毎年100万円を10年間」の約束は初年度にまとめて課税される

最初から「毎年100万円を10年間」と約束して贈与すると、毎年の贈与ではなく1,000万円を受け取る権利(定期金に関する権利)の贈与として初年度に課税されます。評価の基準、連年贈与との違い、避けるための契約書の書き方を解説します。

「毎年100万円ずつ、10年間贈与する」と最初に約束して贈与すると、それは毎年の贈与ではなく、1,000万円を受け取る権利(定期金に関する権利)を1回で贈与したものとされます。暦年贈与の基礎控除を使うつもりが、初年度に大きな贈与税がかかりかねない論点です。

定期金の贈与と連年贈与の違い

  • 定期金の贈与: 「10年間、毎年100万円を渡す」という権利そのものを一度に贈与。課税は初年度に、権利の評価額全体に対して行われる
  • 連年贈与: 毎年その都度、贈与契約を結んで100万円ずつ渡す。各年の贈与額が110万円以下なら贈与税はかからない

形式的には同じ資金移動でも、契約の内容が「将来にわたる支払いの約束」になっているかどうかで扱いが変わります。

定期金に関する権利の評価

2010年の改正後、給付事由が発生している定期金は次の3つのうち最も多い金額で評価します。

  1. 解約返戻金相当額
  2. 一時金で受け取れる場合の一時金の額
  3. 1年間に受ける金額×残存期間に応じた予定利率による複利年金現価率

親子間の金銭の約束には解約返戻金や予定利率がないため、実務では給付総額に近い金額で評価されると考えておくのが無難です。1,000万円に近い評価であれば贈与税は (1,000万円−110万円)×30%−90万円=177万円 程度になり、毎年110万円の範囲で贈与していたつもりが初年度に大きな負担になります。

「定期贈与」とみなされないために

  • 毎年、贈与のたびに契約書を作る(金額や時期を毎年変えるとより自然)
  • 契約書に「毎年〇万円を〇年間」という将来の約束を書かない
  • 振込日や金額が固定されていても、それだけで定期金と認定されるわけではないが、契約書の内容が決め手になる
  • 受贈者が自分の口座で管理し、自由に使えるようにする

保険や年金の定期金との関係

保険料を負担していない人が個人年金保険の年金を受け取る場合など、年金受給権の贈与も定期金の権利の贈与として、受給開始時に評価額全体が贈与税の対象になります。毎年の年金受取時には、贈与税の対象になった部分を除いた金額が雑所得として所得税の対象です。

贈与の記録の残し方や、連年贈与として問題なく運用する方法については、贈与契約書の記事も参考にしてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

無料相談を予約する相続税シミュレーション

他の記事

← 記事一覧へ

電話で相談無料相談を予約