相続税の物納の手続き詳細|収納価額・物納劣後財産・管理処分不適格財産と却下のケース

物納は延納でも金銭納付が困難な場合に限られ、申告期限までに物納申請書と手続関係書類を提出します。収納価額は相続税評価額、物納できる財産の順位、物納劣後財産と管理処分不適格財産の違い、却下される典型例と却下後の延納への変更を解説します。

物納は、相続税を相続した財産そのもので納める制度ですが、延納でも納められないことが条件で、財産の種類や状態にも厳しい基準があります。「売れない土地を物納で引き取ってもらう」という発想は、ほとんどの場合うまくいきません。手続きと要件を正確に押さえておきましょう。

申請の要件と手続き

  1. 延納によっても金銭で納付することが困難であり、その困難な金額の範囲内であること
  2. 申告期限までに「物納申請書」「金銭納付を困難とする理由書」「物納財産目録」と、財産ごとの物納手続関係書類(登記事項証明書、公図、測量図、境界確認書、建物の図面など)を提出する
  3. 手続関係書類がそろわない場合は、届出により最長1年まで提出期限を延長できる(3か月単位)
  4. 税務署は申請から3か月以内に許可・却下を決める(財産の状況により最長9か月まで延長)

物納できる財産の順位と収納価額

順位 財産
第1順位 不動産、船舶、国債・地方債、上場株式等(投資信託の一部を含む)
第2順位 非上場株式等
第3順位 動産

収納価額は、原則として**相続税の課税価格に算入された価額(相続税評価額)**です。小規模宅地等の特例を使った土地は減額後の価額で収納されるため、特例を使った土地を物納すると納税額に比べて大きな土地を手放すことになります。

管理処分不適格財産と物納劣後財産

  • 管理処分不適格財産(物納できない):抵当権など担保権が設定されている不動産、境界が明らかでない土地、共有の財産(共有者全員で物納する場合を除く)、権利の帰属に争いがある財産、耐用年数を過ぎた建物、越境している建物、買戻し特約付きの土地など
  • 物納劣後財産(他に適当な財産がない場合に限り物納できる):法令に違反して建てられた建物とその敷地、接道義務を満たさない土地、市街化調整区域内の土地、事業休止中の会社の株式、など

申請前に、不動産の境界確定・抵当権の抹消・越境の解消を済ませておかないと、却下の原因になります。

却下される典型例と対応

  1. 相続した預貯金や相続人の手持ち資金で納められると判断された(金銭納付困難の要件を満たさない)
  2. 境界確認書が取れず、管理処分不適格と判断された
  3. 他に適当な財産があるのに劣後財産を申請した
  4. 手続関係書類の不備を期限までに補正しなかった

却下の通知を受けた日の翌日から20日以内なら、延納への変更申請ができます。物納は申告期限までの準備が結果を左右するため、相続財産の中に物納候補がある場合は、早い段階で無料相談をご利用ください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

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