相続した不動産を売る前に相続登記が必要な理由|相続人名義にしてから売却する流れ

亡くなった人の名義のままでは不動産を売却できず、先に相続登記が必要です。単独名義と相続人全員の共有名義のどちらで登記するか、換価分割のときに代表者名義にしても贈与税がかからない書き方、売却までの流れと期間を解説します。

「実家を売って兄弟で分けたい」という場合でも、亡くなった親の名義のまま買主に名義を移すことはできません。必ず相続人の名義にする相続登記を挟む必要があります。この記事では、登記から売却までの流れと、名義の決め方で税金が変わらないようにするポイントを説明します。

亡くなった人の名義から直接は売れない

不動産登記は権利の移り変わりを順に記録する仕組みです。被相続人から買主へ直接移転することはできず、「被相続人→相続人(相続登記)→買主(売買による移転登記)」の2段階になります。買主側の金融機関も、売主の名義が確定していないと融資の審査を進められません。売却活動自体は登記前でも始められますが、契約や決済までには登記が完了している必要があります。

単独名義か全員の共有名義か

相続人名義の登記には2つの方法があります。

方法 特徴
代表者1人の単独名義 売買契約や決済の手続きが簡単。他の相続人の協力が不要
相続人全員の共有名義 全員が売主になり、契約書への署名や決済への出席が全員分必要

遠方に住む相続人がいる場合は単独名義にして売却を進めるほうが実務上はスムーズです。この場合、遺産分割協議書に「換価分割として、代表者が単独で相続登記したうえで売却し、売却代金から費用を差し引いた残額を次の割合で分配する」と明記しておきます。この記載があれば、代表者から他の相続人への代金の分配は贈与ではなく遺産の分配として扱われ、贈与税はかかりません。

売却までの流れと期間

  1. 戸籍の収集と遺産分割協議(1〜2か月)
  2. 相続登記の申請・完了(申請から1〜2週間程度)
  3. 媒介契約・売却活動(数か月)
  4. 売買契約・決済・買主への移転登記

相続税の申告期限(10か月)内に売却が決まらなくても申告には影響しません。ただし、取得費加算の特例(申告期限から3年以内の売却)や空き家の3,000万円特別控除(相続開始から3年目の年末まで)には期限があるので、特例を使う前提なら売却時期を逆算して進めます。

所得税の申告は相続人それぞれ

売却益は、代表者名義で登記していても、換価分割であれば分配割合に応じて各相続人が自分の譲渡所得として確定申告します。相続登記の方法と特例の組み合わせで手取りが変わるため、売却を考えている方は登記の前に無料相談で全体の流れを確認してください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

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