土地の相続税評価では、「どこからどこまでを1つの土地として評価するか」という評価単位の決め方が、評価額を大きく左右します。登記の筆や固定資産税の課税単位とは一致しません。自宅の隣に貸駐車場がある、という典型的なケースを例に考え方を整理します。
評価単位の基本
土地は、まず地目(宅地・田・畑・山林・雑種地など)ごとに区分します。宅地は、さらに「利用の単位」ごとに評価します。
- 自分が使っている土地(自用地)は、建物の敷地ごと
- 貸している土地は、貸し付けている契約ごと(貸宅地・貸家建付地)
- 遺産分割で取得者が分かれる場合は、取得者ごと
一筆の土地でも利用が分かれていれば分けて評価し、複数の筆でも一体で使っていれば合わせて評価します。
自宅と貸駐車場が隣接するケース
自宅の敷地と、隣の土地を月極駐車場として貸している場合、駐車場は地目が「雑種地」で利用も異なるため、自宅とは別の評価単位です。
| 区分 | 地目 | 評価の方法 |
|---|---|---|
| 自宅の敷地 | 宅地 | 自用地として評価。特定居住用の小規模宅地等の特例の対象 |
| 月極の貸駐車場 | 雑種地 | 自用地としての価額で評価(駐車場の賃借権は原則として控除しない)。貸付事業用の小規模宅地等の特例の対象になり得る |
一方、同じ隣地でも、自分や家族の車を停めているだけの駐車場は自宅と一体の利用なので、自宅の敷地と合わせて1つの評価単位になります。
分け方で評価額が変わる例
間口20m・奥行30mの土地(600㎡、路線価15万円)のうち、道路側の400㎡が自宅、奥の200㎡が貸駐車場だとします。
一体で評価した場合:15万円×600㎡=9,000万円(奥行補正などは省略) 分けて評価した場合:自宅400㎡は道路に面するが、奥の駐車場200㎡は道路に接しない無道路地になり、評価が大きく下がる
ただし、評価単位を分けるのは実際の利用状況に基づく場合に限られ、評価を下げる目的で形式的に分けることはできません。また、大阪など三大都市圏で500㎡以上の宅地に使える「地積規模の大きな宅地」の評価は、評価単位ごとの面積で判定するため、分けると要件を満たさなくなることもあります。
実務上の対応
評価単位の判断には、現地の利用状況・契約書・写真が必要です。相続開始時点でどう使われていたかが基準なので、相続後に駐車場をやめても評価は変わりません。土地が複数ある場合は、小規模宅地等の特例をどの土地に適用するかとも関わるため、評価単位の整理を含めて無料相談で確認してください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。