相続した土地を自治体や隣地に寄附・売却するときの手続きと税金

使い道のない相続土地を自治体に寄附しようとしても、公共目的に使えない土地は受け付けてもらえないのが実情です。申告期限内に国や自治体へ寄附すると相続税が非課税になる制度、隣地への無償譲渡で相手に贈与税がかかる点、売る場合の税金を解説します。

「相続した土地を市に寄附したい」という相談は多いのですが、自治体は維持管理の負担が増える土地の寄附を原則として受け付けません。一方で、道路や公園の用地として使う予定があれば受け入れられることもあります。寄附と隣地への売却について、手続きと税金を整理します。

自治体への寄附

自治体が寄附を受けるのは、公共の用途に使える土地(道路の拡幅部分、公園の予定地、消防施設の用地など)や、すでに道路として使われている私道などに限られるのが一般的です。まずは市区町村の管財課や道路管理課に相談し、受け入れの可否を確認します。

受け入れられる場合、相続税の申告期限(10か月)までに国や地方公共団体に相続財産を寄附すると、その財産は相続税の課税対象から外れます(寄附が相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合を除く)。申告書に寄附を証明する書類の添付が必要です。個人が国や地方公共団体に土地を寄附した場合、所得税のみなし譲渡課税もありません。

隣地の所有者に譲る

買い手がつかない土地でも、隣地の所有者なら「庭や駐車場を広げられる」と受け取ってもらえることがあります。無償か有償かで税金が変わります。

方法 譲る側の税金 受け取る側の税金
無償で譲る(個人→個人) なし 贈与税(時価−110万円に課税)、不動産取得税、登録免許税2%
時価で売る 譲渡所得税 不動産取得税、登録免許税
時価より著しく低い価額で売る 譲渡所得税(売却価額ベース) 時価との差額に贈与税がかかることがある

無償で譲ると、受け取る側の贈与税負担が思いのほか大きくなることがあります。評価額が低い土地であれば、年110万円の基礎控除内に収まるかを確認し、超えるなら相続税評価額を参考に有償で売買するほうがお互いに負担が少ないケースもあります。

売却時の相続人側の税金

隣地に売った場合の譲渡所得は通常の売却と同じです。取得費が不明なら売却価額の5%が概算取得費になり、相続税を納めていれば申告期限から3年以内の売却で取得費加算が使えます。売却価額が低ければ譲渡所得税も少額ですが、確定申告は必要です。

手続きの流れ

  1. 相続登記を済ませる(寄附も売却も相続人名義が前提)
  2. 境界と面積を確認する(自治体への寄附は確定測量を求められることが多い)
  3. 自治体への寄附なら受入申請、隣地なら契約書の作成
  4. 所有権移転登記(寄附は受け入れ側が手続きすることが多い)

どの方法も登記名義が相続人になっていなければ進められないため、まず相続登記を終えておくことが出発点です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

無料相談を予約する相続税シミュレーション

他の記事

← 記事一覧へ

電話で相談無料相談を予約