一時払終身保険で相続税対策|90歳まで入れる商品の仕組みと注意点

預金を一時払終身保険に換えると、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を使えます。高齢でも加入しやすい商品の仕組み、効果の計算例、解約返戻金や受取人指定の注意点を相続専門の税理士が解説します。

一時払終身保険とは、保険料を契約時に一括で払い込み、亡くなるまで一生涯の死亡保障が続く保険です。預金として持っていれば全額が相続税の対象になるお金を、死亡保険金に換えることで**「500万円×法定相続人の数」の非課税枠**を使えるようになります。高齢でも入りやすい商品が多く、相続対策の入口としてよく使われます。

預金を保険に換えるだけで税額が変わる

たとえば法定相続人が子2人の場合、非課税枠は500万円×2人=1,000万円です。預金1,000万円をそのまま残すと1,000万円が課税対象ですが、同じ1,000万円を一時払終身保険の保険料にして、子を受取人にしておけば、死亡保険金1,000万円は非課税枠に収まり課税対象から外れます。

相続税の税率が20%の層であれば、単純計算で200万円ほどの差になります。使える枠は「法定相続人の数」で決まるため、相続人が多いほど効果が大きくなります。

高齢でも加入できる商品の特徴

一時払終身保険は、健康状態の告知が簡単な商品や、告知なしで加入できる商品があり、加入年齢の上限を90歳前後に設定している商品も見られます。保障内容は「払い込んだ保険料とほぼ同額か、少し上乗せした死亡保険金」というシンプルなものが中心です。利率の高い運用を期待する商品ではなく、非課税枠を使うことが主な目的と考えてください。加入条件や上限年齢は保険会社・商品ごとに違うため、最新の内容を確認してください。

注意したい点

  • 受取人は法定相続人にする。孫や相続人でない人が受け取ると非課税枠は使えず、孫は2割加算の対象にもなります
  • 非課税枠を超えた分は課税される。枠以上の保険料を払っても、超過分は通常の相続財産と同じ扱いです
  • 早期解約は元本割れしやすい。加入後数年は解約返戻金が払込保険料を下回るのが普通で、当面使わない資金で加入します
  • 契約時の意思能力が必要。認知症が進んでからの契約は無効を争われるおそれがあります
  • 保険料を相続人が負担したように見える契約(名義保険)にならないよう、必ず本人の口座から払い込みます

保険の非課税枠だけで相続税がゼロになる家庭は多くありませんが、他の対策と組み合わせやすいのが長所です。自分の家庭でどの程度の効果があるかは、相続税シミュレーションで保険金ありとなしの税額を比べてみてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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