「父がどこの保険に入っていたか分からない」という相談は非常に多くあります。保険金は請求しなければ支払われず、請求権には時効があるため、相続財産の洗い出しの初期段階で契約を確認しておく必要があります。
請求権の時効は3年
保険法では、保険金の請求権は3年で時効にかかると定められています。起算点は保険金を請求できるようになった時(死亡日)です。実務上は、時効が過ぎても事情を説明すれば支払いに応じる保険会社が多いとされていますが、法律上の保証はありません。相続税の申告期限(10か月)までに請求を済ませるのが望ましく、遅くとも3年以内には必ず請求してください。
なお、かんぽ生命や共済の請求期限は各団体の規定で定められているため、個別に確認します。
自宅で探す手がかり
- 保険証券・契約内容のお知らせ:年1回届くはがきや封書
- 通帳の引落し:「〇〇生命」「JA共済」などの定期的な引落し。クレジットカード明細も確認
- 生命保険料控除証明書:毎年10〜11月に届く。確定申告書や源泉徴収票の控除欄からも分かる
- スマートフォンやメール:ネット専業の保険会社はWeb上の通知だけのことがある
- 勤務先:団体保険や企業年金は会社に照会
生命保険協会の契約照会制度
手がかりが乏しい場合は、生命保険協会が運営する生命保険契約照会制度を利用できます。協会が加盟する生命保険会社全社に、亡くなった方を被保険者または契約者とする契約の有無を照会し、結果をまとめて回答してくれる仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申込みできる人 | 法定相続人、遺言執行者、相続人の法定代理人など |
| 必要な書類 | 死亡の事実と相続人であることを示す戸籍、本人確認書類 |
| 費用 | 1回につき所定の利用料(2026年時点で3,000円程度) |
| 回答 | 各社から契約の有無が回答される(契約内容の詳細は各社に個別に請求) |
照会の対象は加盟する生命保険会社の契約で、共済(JA・県民共済など)や損害保険会社の契約は含まれません。また、回答は「契約の有無」であり、保険金の請求はその後に各社へ行います。災害時や、本人が認知症で判断能力が低下した場合にも利用できます。
請求漏れを防ぐために
- 相続税の申告後に保険金が見つかった場合は、修正申告が必要になり、加算税がかかることがあります
- 保険会社は契約者の死亡を自動的には知りません。死亡を知らせて初めて手続きが始まります
- 生前に「保険の一覧表」を作って家族に場所を伝えておくことが、もっとも確実な対策です
財産の洗い出しは相続税申告の土台です。保険の確認を含めた進め方は、無料相談でご案内しています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。