生命保険は受取人を指定することで、遺産分割に関係なく確実に渡したい人に資金を届けられる仕組みです。しかし、受取人の指定を見直していないと、思わぬ人に保険金が渡ることがあります。
受取人が先に亡くなっていた場合
受取人(たとえば妻)が被保険者(夫)より先に亡くなり、受取人を変更しないまま夫が亡くなった場合、保険金は受取人(妻)の法定相続人が均等に受け取ります(保険法のルール)。
例:妻の相続人が、夫との間の子2人と、妻の前婚の子1人だった場合、3人が3分の1ずつ受け取ります。夫が想定していなかった人が受取人になり、しかも相続人でなければ非課税枠が使えず2割加算の対象になります。
受取人の見直しが必要なタイミング
- 受取人が亡くなった
- 離婚・再婚した(元配偶者が受取人のままになっていることが多い)
- 子が生まれた、独立した
- 保険金で納税資金や代償金を準備する計画を立てた
受取人の変更は、保険会社に届け出るだけで、保険料は変わりません。
相続税の面での受取人の設計
- 受取人が相続人なら、500万円×法定相続人の数の非課税枠が使えます
- 受取人が孫だと、非課税枠がなく2割加算、さらに孫への生前贈与が持ち戻しの対象になります
- 受取人を配偶者にすると配偶者の税額軽減で税額は抑えられますが、二次相続で課税されます。納税資金が必要なのは子なので、子を受取人にするほうが合理的なことが多いです
保険証券を確認し、受取人が今の家族構成に合っているかを一度見直してみてください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。