障害のある子がいるご家庭では、相続税の負担だけでなく、「親が亡くなった後、子の生活資金をどう管理するか」という問題があります。使える制度を組み合わせて備えましょう。
相続税の障害者控除
相続人が障害者の場合、**10万円(特別障害者は20万円)×(85歳 − 相続時の年齢)**を相続税額から控除できます。たとえば30歳の特別障害者なら20万円×55年=1,100万円が控除され、本人の税額から引ききれなければ扶養義務者(兄弟姉妹など)の税額からも控除できます。
特定贈与信託(特定障害者扶養信託)
親が信託銀行などに金銭や有価証券を信託し、障害のある子の生活費や医療費として定期的に給付する仕組みです。特別障害者は6,000万円、それ以外の特定障害者は3,000万円まで贈与税がかかりません。親が元気なうちに子の生活資金を確保でき、信託銀行が管理するため使い込みの心配もありません。
遺言と遺産分割の工夫
障害のある子が自分で遺産分割協議に参加できない場合、成年後見人の選任が必要になります。あらかじめ遺言で財産の分け方を決めておけば、協議そのものを避けられます。兄弟姉妹に多めに相続させて、その子の世話を託す「負担付遺贈」という方法もあります。
生命保険信託・家族信託
生命保険金を一括ではなく、信託銀行から毎月分割で子に給付する「生命保険信託」や、兄弟姉妹を受託者とする家族信託も選択肢です。
制度の併用
親の財産規模と、子の障害の程度、兄弟姉妹の有無によって最適な組み合わせは変わります。福祉と税務の両面から相談できる専門家と早めに計画を立てましょう。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。