死因贈与と遺贈の税金の違い|不動産取得税・登録免許税・2割加算を比較

死因贈与は契約、遺贈は遺言による一方的な行為で、どちらも相続税の対象です。2割加算の扱いは同じですが、不動産取得税は包括遺贈や相続人への特定遺贈で非課税になる一方、死因贈与は相続人でも課税されます。登録免許税の税率も含めて違いを整理します。

「自分が死んだらこの家をあげる」と約束して財産を渡す方法には、遺言で渡す「遺贈」と、生前に契約しておく「死因贈与」があります。どちらも効力が生じるのは死亡時で、相続税の対象になる点は同じですが、不動産にかかる他の税金に差が出ます。この記事では両者の違いを比較します。

法律上の違い

項目 遺贈 死因贈与
成立 遺言者の一方的な意思表示 贈与者と受贈者の契約
形式 遺言の方式(自筆・公正証書など)が必要 口頭でも成立するが書面が実務上必須
撤回 いつでも可能 原則可能だが、受贈者が負担を履行した場合は制限される
受け取る側の放棄 可能(特定遺贈はいつでも、包括遺贈は3か月以内) 契約なので一方的な放棄はできない
仮登記 できない 始期付所有権移転仮登記ができる

死因贈与は契約なので、受贈者の同意が前提になり、受贈者の立場が安定します。不動産については生前に仮登記をしておけば、死後に他の相続人が勝手に処分することを防げます。一方で、公正証書で作成しないと相続人から「そんな契約は知らない」と争われるリスクがあります。

税金の違い

相続税の扱いは同じです。どちらも「遺贈により取得した財産」として課税され、受け取った人が配偶者・一親等の血族以外であれば2割加算の対象です。基礎控除の計算も変わりません。

差が出るのは不動産に関する税金です。

税目 遺贈 死因贈与
不動産取得税 包括遺贈は非課税。特定遺贈は相続人なら非課税、相続人以外なら課税 相続人であっても課税(固定資産税評価額の原則4%、住宅・土地は3%等の軽減あり)
登録免許税 相続人への遺贈は0.4%、相続人以外は2% 相続人であっても2%

例えば固定資産税評価額3,000万円の土地建物を長男に渡す場合、遺贈(特定遺贈)なら不動産取得税は非課税で登録免許税は12万円です。死因贈与では、不動産取得税が軽減後でも数十万円程度かかり、登録免許税は60万円になります。相続人に不動産を渡すなら、税負担の面では遺贈のほうが有利です。

使い分けの目安

  • 相続人に不動産を確実に渡したい: 公正証書遺言による遺贈(または特定財産承継遺言)が税負担も軽い
  • 相続人以外(内縁の配偶者など)に渡し、生前に権利を固めたい: 死因贈与と仮登記の組み合わせが有効
  • 介護などの負担と引き換えに渡したい: 負担付死因贈与にすれば撤回が制限される

不動産取得税の税率や軽減措置は変更されることがあるため、実行前に最新の情報を確認してください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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