非上場株式の納税猶予「一般措置」と「特例措置」の違い|猶予割合・雇用要件・期限を比較

自社株の納税猶予には期限のない一般措置と、2027年末までの特例措置があります。対象株式の範囲、猶予割合、後継者の人数、雇用要件、承継計画の提出期限など主な違いを表で比較し、どちらを選ぶべきかを解説します。

非上場株式の納税猶予(事業承継税制)には、以前からある「一般措置」と、2018年に時限で設けられた「特例措置」の2つがあります。制度の概要は別の記事で解説していますので、ここでは2つの措置の違いに絞って比較します。特例措置の方が有利な点が多い一方で、期限と事前手続きがあるため、どちらを使うかは時期によって変わります。

主な違いの比較

項目 一般措置 特例措置
対象株式 発行済議決権株式の3分の2まで 全株式
猶予割合(相続) 80% 100%
猶予割合(贈与) 100% 100%
後継者 1人 最大3人
雇用要件 5年平均で8割維持が必要 実質的に撤廃(下回っても理由書で継続可)
事業継続が困難なときの減免 なし あり
承継計画 不要 特例承継計画の提出が必要
適用期限 なし 2027年12月末までの相続・贈与

一般措置では、株式の3分の2までしか対象にならず、その80%が猶予されるため、株式全体で見ると約53%の猶予にとどまります。特例措置は全株式の100%が猶予され、相続時の納税負担を実質ゼロにできます。

雇用要件の違いが大きい

一般措置では、承継後5年間の平均で雇用の8割を維持できないと猶予が打ち切られます。小規模な会社では従業員1人の退職で要件を外れることもあり、制度の利用をためらう原因になっていました。特例措置では、8割を下回った場合でも、理由を記載した報告書を都道府県に提出し、認定支援機関の意見が付されていれば猶予が続きます。

特例措置を使うための事前手続き

特例措置は、「特例承継計画」を2026年3月末までに都道府県に提出しておく必要があります。計画の提出後、2027年12月末までに相続や贈与が起きた場合に特例措置を適用できます。計画を出しただけで猶予を受ける義務はなく、使わなくても不利益はありません。

一方、一般措置は計画の提出なしに使えるため、計画の期限を過ぎてから相続が起きた場合の受け皿になります。期限は改正で変わる可能性があるため、最新の情報を確認してください。

どちらを選ぶべきか

2027年末までに承継を予定している会社は、特例措置を前提に計画を出しておくのが基本です。承継の時期が定まらない場合でも、計画を出しておけば選択肢が残ります。期限後に相続が起きた場合は一般措置で対応することになるため、一般措置の雇用要件にも耐えられる体制を整えておくことが望ましいといえます。

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※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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