貸付事業用宅地等の「事業的規模」と3年ルール|5棟10室との関係を整理

相続開始前3年以内に貸し始めた土地は貸付事業用宅地等から除外されますが、被相続人が3年を超えて事業的規模で貸付を行っていれば例外になります。5棟10室の目安との関係と、判定で間違えやすい点を解説します。

アパートや駐車場の土地は、貸付事業用宅地等として200㎡まで50%の減額が受けられます。ただし、相続開始前3年以内に新たに貸し付けた土地は原則として対象外です。この除外には「特定貸付事業」を3年超続けていた人には適用しないという例外があり、ここで「事業的規模」の考え方が関係してきます。

3年以内の貸付は原則除外

2018年4月以降の相続から、相続開始前3年以内に貸付を始めた土地は、貸付事業用宅地等に該当しないこととされています。相続直前に土地や建物を買って貸し出し、評価を下げる対策を封じるための規定です。

例えば、亡くなる2年前に土地を買ってアパートを建て、貸し始めた場合、その土地は原則として特例の対象外です。

例外:事業的規模で貸付を続けていた人

ただし、被相続人が相続開始の3年前より前から「特定貸付事業」を行っていた場合は、3年以内に貸し始めた土地であっても対象になります。特定貸付事業とは、事業的規模で行う不動産の貸付をいいます。

事業的規模の判定には、所得税で使われる「5棟10室」の目安が参考にされます。おおむね次の規模なら事業的規模と扱われるのが一般的です。

  • 貸家(戸建て)ならおおむね5棟以上
  • アパート・マンションならおおむね10室以上
  • 駐車場は5台分でおおむね1室と換算
ケース 3年以内に貸し始めた土地
従来から12室のアパートを経営 対象になる(例外に該当)
従来は貸家1棟のみ 対象外
貸付自体が初めて 対象外

3年を超えて事業的規模だったかどうかは、過去の確定申告書や賃貸借契約書で確認します。

判定でよくある誤り

  • 3年前にアパートを建てたが、空室が続き入居者が入ったのは2年前というケースでは、「貸付の用に供された時期」の判定が問題になります。募集を始めた時期や賃貸可能になった時期の資料が重要です
  • 相続開始の3年より前から持っていた土地でも、3年以内に駐車場から貸家に建て替えた場合は、新たな貸付と見られるかどうか個別の判断になります
  • 相続や遺贈で取得した貸付用の土地には、3年ルールは適用されません(被相続人が3年以内に相続で取得したアパートなど)

実務上の対応

貸付用の土地の特例は、3年ルールのほかに「申告期限まで貸付を続ける」要件もあります。相続開始後に空室になった場合でも、募集を続けていれば貸付の継続と認められるのが一般的です。資料の整理に不安があれば、申告前にご相談ください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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