第11表は「相続税がかかる財産の明細書」で、申告書の中で最も分量が多くなる表です。土地・建物・預貯金・株式など財産を1件ずつ、取得した人と価額とともに記載します。小規模宅地等の特例を使う土地は、先に「第11・11の2表の付表1」で減額後の価額を計算し、その結果を第11表に書きます。
第11表の構成
各行には次の項目を書きます。
- 種類・細目・利用区分:「土地/宅地/自用地」「現金預貯金等/預貯金」「有価証券/上場株式」のように、第15表の区分に合わせて書く
- 所在場所等:土地は地番、預金は銀行名・支店名・口座種類、株式は銘柄と株数
- 数量・単価・価額:土地は地積と㎡単価、預金は残高(既経過利息を含む)
- 取得した人の氏名と取得財産の価額:分割で誰が取得したかを書く
上部の「遺産の分割状況」欄で、全部分割・一部分割・全部未分割のどれかに印を付け、分割の日を書きます。未分割の財産は「取得した人」を空欄にせず、法定相続分で分けたものとして各人に記載します。
小規模宅地等の付表の記入手順
- 付表1の「1 特例の適用にあたっての同意」欄に、その土地を取得した相続人全員の氏名を書く(全員の同意が要件)
- 「2 小規模宅地等の明細」に、宅地の所在地・取得者・面積・価額を書き、居住用(330㎡・80%)、事業用(400㎡・80%)、貸付用(200㎡・50%)の区分を選ぶ
- 減額される金額を計算し、「課税価格に算入する価額」(減額後)を出す
- 第11表には減額後の価額を記載し、備考に「小規模宅地等の特例適用」と分かるよう書く
たとえば自宅の土地が200㎡で評価額4,000万円なら、減額は4,000万円×80%=3,200万円で、第11表に書くのは800万円です。複数の土地で特例を使うときは、限度面積の調整計算が付表の中で必要になります。
よくある誤り
- 付表を作らずに第11表に減額後の金額だけを書く(付表の添付がないと特例が認められません)
- 建物と土地を1行にまとめてしまう(建物は家屋として別の行に書く)
- 預金の残高証明書の金額に既経過利息を足し忘れる
- 名義預金・生前の贈与分(第14表に書くもの)を混在させる
第11表の内容は税務調査でもそのまま確認の対象になります。1件ごとに裏付け資料(残高証明書・評価明細書)をそろえながら書くことが、後の調査対応にもつながります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。