取引相場のない株式の評価明細書とは?第1表の1〜第8表の役割と作成の流れ

非上場株式の相続税評価では「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を作成します。第1表の1で株主の判定と会社規模を決め、第4表(類似業種比準価額)と第5表(純資産価額)を経て第3表で評価額を出す流れと、各表の役割を概説します。

会社経営者の相続で自社株を評価するときは、国税庁の様式「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を作成して申告書に添付します。第1表の1から第8表まであり、会社の規模と株主の立場を判定してから、類似業種比準価額と純資産価額を計算し、最後に評価額を確定するという流れです。ここでは各表の役割を概観します。

各表の役割

表 内容
第1表の1 評価上の株主の判定(同族株主か、議決権割合)と会社規模の判定の明細
第1表の2 会社規模(大・中・小)の判定(従業員数・総資産価額・取引金額)
第2表 特定の評価会社(株式等保有特定会社・土地保有特定会社・開業後3年未満・比準要素数1など)の判定
第3表 一般の評価会社の株式の価額の計算(原則的評価方式と配当還元方式)
第4表 類似業種比準価額の計算(配当・利益・純資産を業種平均と比べる)
第5表 1株当たりの純資産価額の計算(資産・負債を相続税評価額に置き換える)
第6表 特定の評価会社の株式の価額の計算
第7表・第8表 株式等保有特定会社の株式の価額(S1+S2方式)の計算

作成の流れ

  1. 第1表の1:株主名簿から相続後の議決権割合を整理し、同族株主グループに属するか、原則的評価か配当還元方式かを判定する
  2. 第1表の2:直前期末の従業員数・総資産(帳簿価額)・年間取引金額から会社規模を決める。規模によって類似業種比準価額と純資産価額の併用割合(Lの割合)が変わる
  3. 第5表:直前期末の貸借対照表を元に、土地・建物・株式などを相続税評価額に直し、含み益に対する法人税額等相当額(37%)を控除して純資産価額を出す
  4. 第2表:第5表の結果から株式等や土地の保有割合を計算し、特定の評価会社に当たるか判定する
  5. 第4表:直前期・直前々期の配当・利益・簿価純資産と、国税庁が公表する類似業種の株価・比準要素を使って比準価額を計算する
  6. 第3表(または第6表):規模に応じた方式で1株当たりの評価額を確定し、相続した株数を掛けて第11表に転記する

準備する資料

  • 直前3期分の決算書・法人税申告書(勘定科目内訳書を含む)
  • 株主名簿、定款、登記事項証明書
  • 会社が持つ土地・建物の評価資料(路線価、固定資産税評価額)、保有株式の明細

自社株の評価は、役員退職金の支給や含み損のある資産の整理など、相続開始前の対策によって大きく変わる財産です。経営者ご自身が各表の意味を知っておくと、生前対策の検討がしやすくなります。無料相談では現状の株価の概算もお伝えしています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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