区分所有補正率は、4つの要素を計算式に入れれば出ますが、実務で手が止まるのは「どの数字を使うか」です。結論から書くと、必要な数字は建物の登記事項証明書(全部事項証明書)1通でほぼそろい、専有面積は登記の内法面積、敷地の面積は敷地権の目的である土地の地積を使います。計算式そのものは区分所有補正率の計算例を参照してください。
必要な6つの数字と見る場所
| 数字 | 登記事項証明書の見る欄 | 注意点 |
|---|---|---|
| 築年数 | 「専有部分の建物の表示」の原因及びその日付(例:平成10年3月15日新築) | 新築の日から課税時期までの年数。1年未満は切り上げ |
| 総階数 | 「一棟の建物の表示」の構造(例:鉄筋コンクリート造陸屋根15階建) | 地階は含めない(「地下1階付15階建」なら15) |
| 所在階 | 「専有部分の建物の表示」の床面積の欄(例:10階部分 45.20㎡) | 地階は0。複数階にまたがる室は低いほうの階 |
| 専有面積 | 同じ欄の床面積 | 登記の内法面積。パンフレットや課税明細の壁芯面積ではない |
| 敷地権の割合 | 「敷地権の表示」の敷地権の割合(例:1234567分の4520) | 敷地が複数筆なら筆ごとに書かれる |
| 敷地全体の面積 | 「敷地権の目的である土地の表示」の地積 | 複数筆は合計する |
敷地利用権の面積は「敷地全体の面積 × 敷地権の割合」で、これを専有面積で割ったものが敷地持分狭小度です。
登記事項証明書の取り方と読み方
法務局の窓口か登記情報提供サービスで、家屋番号を指定して取得します。家屋番号は固定資産税の課税明細書や権利証(登記識別情報通知)に書いてあります。マンションの登記事項証明書は「一棟の建物の表示」「敷地権の目的である土地の表示」「専有部分の建物の表示」「敷地権の表示」の順に並び、上の表の数字はこの4つの区画に分かれています。「敷地権の表示」がない古いマンション(敷地権化されていない物件)は、土地の登記事項証明書で共有持分を確認し、敷地はその持分で計算します。
間違えやすいところ
- 面積の種類:固定資産税の課税明細書の床面積は共用部分を按分して足した数字で、専有面積より大きくなります。区分所有補正の計算には登記の面積を使います
- 増築・改築:原因欄に改築の記載があっても、築年数は新築の日からです
- 総階数の上限:総階数指数は総階数÷33で、1を超えるときは1です。33階建以上は全て同じ値です
- 評価額への掛け方:補正率は敷地権と建物の合計に掛けます。その後に貸家・貸家建付地の減額や小規模宅地等の特例を適用します(敷地権と小規模宅地等の特例)
- 対象外の建物:総階数2以下、一棟の部屋数3以下で全て親族が住む建物、事業用のテナント物件は補正の対象外です
国税庁の「居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書」に上の数字を入れれば補正率が出ます。タワーマンションでは補正で評価が大きく上がるため、数字の確認が税額を左右します(タワーマンションの評価見直し)。
当センターでは、登記事項証明書をお持ちいただければ、区分所有補正率と相続税評価額の概算をその場でお伝えしています。相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)からで、初回相談は無料です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。