相続税は、申告期限までに現金で一括納付するのが原則です。しかし財産の大半が不動産で現金が足りないケースもあります。その場合の制度が延納と物納です。
延納(分割払い)
相続税額が10万円を超え、現金で納めることが困難な場合に、最長20年の年賦で納められます(期間は財産に占める不動産の割合で変わります)。
- 延納税額が100万円を超えるか期間が3年を超える場合は担保が必要
- 年ごとに利子税がかかる(不動産の割合などにより年0.1%〜1%程度。年により変動)
- 申告期限までに延納申請書を提出する
物納(財産で納める)
延納でも納められない場合に、相続した財産そのもので納める制度です。納められる財産には順位があり、国債・不動産・上場株式などが第1順位です。収納価額は相続税評価額なので、評価額より時価が低い財産を物納すると有利になることがあります。ただし、境界が未確定の土地や抵当権付きの不動産は物納できません。
実際には売却や借入も検討
延納は利子税がかかり、物納は手続きが厳格です。実務では、不動産を売却して納税する(申告期限から3年以内の売却なら取得費加算の特例が使えます)、金融機関から納税資金を借りるといった方法と比較して選びます。納税資金の見通しは申告の早い段階で立てておくことが重要です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。