大阪市中央区は、北浜・本町・船場のオフィス街、心斎橋・道頓堀・難波の繁華街、大阪城の周辺と谷町・上町台地の住宅地を含む、大阪の中心にあたる区です。御堂筋や堺筋の沿道をはじめ路線価の高い商業地が広がり、小さな土地でも評価額が大きくなります。代々船場で商売をしてきたご家庭の貸ビルや店舗、同族会社の株式、北浜や谷町などに増えたタワーマンションの住戸など、評価額の大きな財産が重なりやすいのが中央区の特徴です。財産の大半が不動産だと、相続税を納める現金が足りなくなるおそれがあるため、評価と同時に納税の方法を考えておく必要があります。
大阪市中央区の相続でよくある財産と評価のポイント
- 貸ビル・テナントビル: 敷地は貸家建付地として「自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で、建物は固定資産税評価額から借家権割合30%に賃貸割合を掛けた分を差し引いて評価します。テナントの入れ替わりで空室が出ていると、その分だけ減額が小さくなります
- 容積率の異なる地域にまたがる土地: 大通り沿いの容積率が高い地域と、裏通り側の容積率が低い地域にまたがる土地は、その差に応じて評価を減額する計算があります。都市計画図で容積率の境目を確認します
- 角地・二方路線の店舗: 2本以上の道路に面した土地は、側方路線や裏面路線の路線価を加算して評価するため、同じ面積の土地より評価額が高くなります
- 同族会社の株式と社長個人の土地: 社長個人のビルや土地を自分の会社に貸している場合は、会社の株式の評価と、土地の特例(特定同族会社事業用宅地等として400㎡まで80%減額)の要件を合わせて検討します。地代を受け取っていないと特例を使えないため、契約と地代の実績を確認します
- タワーマンション: 2024年1月以降の相続では、区分所有補正率を掛けた評価になります。賃貸に出している住戸は、そのうえで貸家建付地・貸家の減額も適用します
大阪市中央区で使える特例・注意点
- 小規模宅地等の特例の選び方: 居住用は330㎡まで80%、貸付事業用は200㎡まで50%、特定事業用は400㎡まで80%減額できます。中央区のように土地の単価が高い場合、1㎡あたりの減額額が大きい土地から優先して使うのが基本で、自宅より貸ビルの敷地を選ぶほうが有利になる場合もあります
- 延納と物納: 相続税は申告期限(亡くなったことを知った日の翌日から10か月)までに金銭で一括して納めるのが原則です。それが難しい場合は、担保を提供して分割で納める延納(財産に占める不動産の割合が高いと最長20年)を、延納でも納められない場合は不動産などで納める物納を申請できます
- 土地を売って納税する場合: 相続税の申告期限の翌日から3年以内に相続した土地などを売れば、払った相続税のうちその財産に対応する額を取得費に加えられ、売却時の譲渡所得税が軽くなります
- 生命保険の非課税枠: 相続人が受け取る死亡保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税です。納税資金を準備する手段としても使われます
大阪市中央区の相続手続きの窓口
申告書は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署へ提出します。中央区内の住所の管轄は、国税庁サイトの「税務署の所在地・案内」で確認できます。延納や物納を申請する場合も、原則として申告期限までにこの税務署に申請書を提出します。ビルや店舗の名義を変える相続登記は、大阪法務局のうち物件のある場所を管轄する庁(法務局サイトで確認できます)に申請します。相続放棄や遺産分割調停を申し立てる先は大阪家庭裁判所です。
貸ビルを相続した場合は、賃貸借契約書、預かっている保証金の一覧、管理会社との契約、ビルの修繕計画なども申告と承継に必要です。テナントや管理会社への家賃の振込先の変更も、早めに準備します。
大阪市中央区でよくある相続の例と費用の目安
路線価の高い商業地の貸ビル(土地1筆・建物1棟)と預貯金を、配偶者と子1人が相続する例。貸家建付地の評価と、納税資金の準備が論点です。遺産が7,000万円を超える場合は個別に見積もります。遺産総額7,000万円・相続人2人なら、当センターの料金は基本報酬 280,000円+土地評価 1か所 100,000円+建物評価 5,000円+相続人加算 1人 50,000円=435,000円(税抜)、税込478,500円が目安です。遺産総額が7,000万円を超える場合は個別にお見積りしますが、加算の単位は同じです。財産の内容を伺えば、初回相談の場で総額をお伝えします。