広い土地を兄弟で「半分ずつ」相続したいとき、共有にせず一筆の土地を2つに分けて、それぞれ単独で所有する方法が「分筆による現物分割」です。共有のリスクを避けられる反面、測量と登記に費用と時間がかかり、分け方によっては相続税評価にも影響します。この記事では手順・費用の目安・評価上の注意点をまとめます。
分筆の手順と期間
分筆登記は土地家屋調査士に依頼するのが一般的で、おおむね次の流れです。
- 法務局で公図・地積測量図・登記事項証明書を取得し、現況を調査する
- 隣地所有者や道路管理者(市区町村など)の立会いのもと境界を確定する(確定測量)
- 分割線を決めて測量図を作成する
- 法務局に分筆登記を申請する
隣地の立会いが得られない、官民境界の確定に時間がかかるといった事情で、3か月から半年以上かかることも珍しくありません。相続税の申告期限(10か月)に間に合わせるなら、早めに着手する必要があります。
費用の目安
費用は面積・隣地の数・道路との接し方で大きく変わります。確定測量を含めると数十万円から、隣地が多い場合は100万円を超えることもあります。登録免許税は分筆後の筆数1筆につき1,000円と少額ですが、調査士の報酬が中心になります。なお分筆の費用は相続人が負担するもので、相続税の債務控除の対象にはなりません。
分け方で相続税評価が変わる
土地の相続税評価は、原則として遺産分割後に各相続人が取得した土地ごとに行います。分筆して道路に面する部分と奥の部分に分けると、奥の土地は無道路地や不整形地として評価が下がる一方、全体で見ると分割前より評価の合計が下がることがあります。
ただし、現実の利用を無視した分け方(著しく狭い、道路に接しない、通常の用途に使えない形など)は「不合理分割」として、分割前の一筆全体で評価したうえで按分する扱いになります。「評価を下げるための分筆」は認められないと考えてください。
実務上の対応
実際には、分筆後の土地がそれぞれ建物を建てられる形か(接道・間口・面積)、将来売却しやすいかを先に検討します。等分の面積にこだわるより、道路に面する側を取る人が代償金を払うといった組み合わせも有効です。土地の分け方と評価額の見通しは、申告前に無料相談でご相談ください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。