大阪市天王寺区は上町台地の上に広がる区で、四天王寺や生國魂神社をはじめ、松屋町筋や谷町筋の周辺には寺院が軒を連ねる寺町の街並みが続きます。真田山・夕陽丘・上本町などの住宅地は古くからの落ち着いた地域で、学校も多く、昔ながらの広い屋敷が残っています。台地の西側には天王寺七坂と呼ばれる坂道があり、道路との高低差がある土地も見られます。JR・大阪メトロの天王寺駅や近鉄の大阪上本町駅の周辺は商業地です。天王寺区の相続では、評価額の高い住宅地にある広めの自宅をどう評価し、どう分けるかが中心になりやすく、寺院の近くの土地や坂に面した土地では、形や立地による補正の検討が欠かせません。
大阪市天王寺区の相続でよくある財産と評価のポイント
- 広い宅地: 三大都市圏では、500㎡以上の宅地で、普通住宅地区などにあり容積率が400%未満などの要件を満たせば「地積規模の大きな宅地」として規模格差補正率で評価が下がります。容積率や地区区分の要件で外れることもあるため、都市計画と路線価図で一つずつ確かめます
- 坂や高低差のある土地: 敷地の一部ががけ地になっている場合は、がけの向きと割合に応じたがけ地補正率で評価します。道路より著しく高い・低い土地で、その事情が路線価に反映されていなければ、利用価値が著しく低下している宅地として10%の減額を検討します
- 墓地や寺院の隣接地: 墓地に隣接していて取引価格が付近の土地より著しく低い場合も、10%減額の対象になり得ます。ただし周辺一帯が同じ条件で、すでに路線価に織り込まれていれば適用できません
- 寺院の住職の相続: 本堂や境内地など宗教法人の財産は、住職個人の相続財産ではありません。一方で、住職個人の名義になっている土地や預金、自宅は相続税の対象になるため、名義の確認から始めます
- 寺社の土地を借りている住宅: 寺院や神社の土地を借りて家を建てている場合は、その土地の借地権を評価します。地代の額や契約の内容によって借地権として評価するかどうかが変わるため、契約書を確認します
大阪市天王寺区で使える特例・注意点
- 小規模宅地等の特例の上限: 居住用の特例で80%減額できるのは330㎡までで、それを超える部分は通常の評価です。貸家やアパートの敷地なら200㎡まで50%、事業用の敷地なら400㎡まで80%の減額を検討します
- 広い土地を分けて相続する場合: 宅地は取得した人ごとに評価単位を分けるため、分筆して別々の相続人が取得すれば、それぞれの形や接道で評価します。ただし、極端に細長くなるような不合理な分け方は、分ける前の土地を1つとして評価されます
- お墓と仏壇: 墓地や墓石、仏壇・仏具は相続税がかからない非課税財産です。生前にお墓を購入しておけば相続財産は減りますが、亡くなった時点で代金が未払いのものは債務として差し引けません
- 相続登記: 相続した不動産は3年以内に登記する義務があります。広い屋敷では、敷地が複数の筆に分かれていたり、私道の持分が別にあったりするため、登記事項証明書で全体を確かめます
大阪市天王寺区の相続手続きの窓口
天王寺区内に住所があった方の相続税の申告先は、その住所を管轄する税務署です。管轄は国税庁サイトの「税務署の所在地・案内」で確認できます。土地・建物の相続登記は大阪法務局のうち不動産の所在地を管轄する庁(法務局サイトで確認できます)、相続放棄や遺産分割の調停は大阪家庭裁判所で手続きします。
広い宅地や高低差のある土地は、現地の状況が評価に直結します。固定資産税の評価証明書と名寄帳(大阪市の市税の窓口で取得。取扱いは大阪市のサイトで確認できます)のほか、公図・地積測量図、建物の配置がわかる資料を集め、現地も確認したうえで評価します。
大阪市天王寺区でよくある相続の例と費用の目安
上町台地の戸建て(土地1筆・坂に面した宅地)と預貯金、上場株式を、配偶者と子2人が相続する例。がけ地補正や高低差の減額を検討すると評価が下がることがあります。遺産総額6,000万円・相続人3人なら、当センターの料金は基本報酬 220,000円+土地評価 1か所 100,000円+建物評価 5,000円+上場株式 3件 6,000円+相続人加算 2人 100,000円=431,000円(税抜)、税込474,100円が目安です。財産の内容を伺えば、初回相談の場で総額をお伝えします。