底地の整理方法3つ|借地人への売却・借地権との交換・等価交換の税金

貸している土地(底地)は収益性が低く売りにくいため、相続を機に整理する方が多いです。借地人への売却、底地と借地権の交換、等価交換で完全所有権に分ける方法について、譲渡所得と交換の特例の扱い、相続税との関係を解説します。

他人に貸している土地(底地)は、地代が低く、自由に使えず、第三者にはなかなか売れない財産です。相続税は借地権割合を差し引いた評価(たとえば借地権割合60%なら更地の40%)で済みますが、相続後に「持っていても仕方がない」と整理を考える方が少なくありません。代表的な3つの方法と税金を整理します。

1. 借地人に底地を売る

最も単純な方法です。借地人にとっては底地を買えば完全な所有権になるため、第三者に売るより高い価格(更地価格の40〜60%程度が交渉の出発点になることが多いとされます)で売れる可能性があります。売主側は譲渡所得として課税されます。

例:底地を2,000万円で売却、取得費が不明で概算取得費(5%)100万円、譲渡費用60万円の場合 譲渡所得=2,000万円−100万円−60万円=1,840万円 長期譲渡(所有5年超)の税額=1,840万円×20.315%≒373万8,000円

相続税を払った土地を申告期限から3年以内に売れば、取得費加算の特例で相続税の一部を取得費に加えられます。

2. 底地と借地権を交換する

地主が持つ底地と、借地人が持つ借地権は、所得税の「固定資産の交換の特例」では同じ種類(土地)として扱われます。要件(互いに1年以上所有、交換後も同じ用途、時価の差が高いほうの20%以内など)を満たせば、交換時に譲渡所得の課税はされず、将来売却するまで課税が繰り延べられます。

3. 等価交換で土地を分ける

広い借地では、土地を2つに分け、一方を地主の完全所有権、他方を借地人の完全所有権にする方法が使われます。地主は借地権の一部を取得し、借地人は底地の一部を取得する形で、これも交換の特例の対象になり得ます。借地権割合60%の土地なら、面積でおおむね地主4:借地人6に分けると等価になりますが、道路付けや形状で価値が変わるため、実際には不動産鑑定や当事者の合意で調整します。

相続の前後どちらで整理するか

生前に底地を売ると現金に変わり、相続税評価は底地評価(更地の40%程度)から売却代金(時価)に上がることがあります。一方、相続後に売ると取得費加算が使え、相続税評価も低いままです。借地人との関係や代金の使い道を含めて、相続前後どちらが有利かは相続税シミュレーションで試算したうえで検討してください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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