路地状の敷地(旗竿地)や、道路に接する幅が狭い土地は、建物を建てにくく車の出し入れにも不便です。相続税評価では「間口狭小補正率」と「奥行長大補正率」の2つで、こうした土地の評価を下げられます。この記事では、どんな土地が対象で、どのように計算するかを例で説明します。
間口狭小補正率
間口距離(道路に接している長さ)が狭い土地に適用します。普通住宅地区では、間口が8m未満になると0.9台の補正率が付き、4m未満ではさらに下がります。商業地区では間口の基準がより広い範囲に設定されているなど、地区区分ごとに異なるため付表で確認してください。
奥行長大補正率
奥行距離を間口距離で割った値(奥行÷間口)が大きい土地に適用します。普通住宅地区では、この比率が2以上になると補正が始まり、比率が大きくなるほど0.9台から0.8台へと下がります。奥行が長いほど道路から離れた部分の利用価値が低くなる、という考え方です。
計算例:旗竿地の場合
普通住宅地区、路線価15万円/㎡、間口3m、地積180㎡、奥行価格補正率1.00の土地で考えます。
- 奥行距離:180㎡ ÷ 3m = 60m(想定整形地の奥行がそれより短ければその値)
- 奥行÷間口:仮に想定整形地の奥行を30mとすると 30 ÷ 3 = 10 → 奥行長大補正率は0.9程度(付表で確認)
- 間口3mは4m未満 → 間口狭小補正率は0.9程度(付表で確認)
仮にそれぞれ0.90とすると、
- 1㎡当たり:15万円 × 1.00 × 0.90 × 0.90 = 12万1,500円
- 評価額:12万1,500円 × 180㎡ = 2,187万円
補正なしの2,700万円から500万円以上下がります。
不整形地補正との関係
旗竿地はそもそも形が整っていないため、不整形地補正の対象にもなります。しかし奥行長大補正率と不整形地補正率は同時に適用できないため、「間口狭小 × 奥行長大」と「間口狭小 × 不整形地」の両方を計算し、低いほうを採用するのが実務の流れです。どちらが有利かは土地の形で変わります。
なお、間口の測り方(路地部分の幅をどこで測るか)や、奥行価格補正率が1.00でない場合の順番など、細部で評価額が変わります。図面だけで判断せず、現地で間口を確認することも大切です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。