借地権の3つの種類と相続税評価の違い|普通借地権・定期借地権・一時使用目的の借地権

借地権は普通借地権・定期借地権・一時使用目的の借地権で評価方法が異なります。普通借地権は自用地価額に借地権割合を掛け、定期借地権は残存期間に応じて逓減し、一時使用は雑種地の賃借権に準じます。それぞれの計算例を解説します。

借地権と一口にいっても、借地借家法上は契約の種類が複数あり、相続税評価もそれぞれ違います。どの種類の借地権かは契約書を見れば分かりますが、評価方法の違いを知らずに一律に借地権割合で計算してしまうと、過大または過少な評価になります。

普通借地権

更新が前提で、地主側から契約の終了を求めにくい、従来型の借地権です。評価は次の式です。

借地権の価額 = 自用地としての評価額 × 借地権割合

借地権割合は路線価図の記号(A〜G、90%〜30%)または倍率表で確認します。たとえば自用地評価額5,000万円、借地権割合60%なら、借地権は3,000万円、地主側の底地は2,000万円です。

定期借地権

契約期間の満了で確実に終了し、更新がない借地権です。一般定期借地権(50年以上)、事業用定期借地権(10年以上50年未満)、建物譲渡特約付借地権の3種類があります。

評価の原則は、契約時に借地権者が得た経済的利益(権利金や保証金の運用益、差額地代など)を基に、残りの期間に応じて価値が減っていく計算をします。

定期借地権の価額 = 自用地評価額 × (設定時の経済的利益の総額 ÷ 設定時の自用地の時価)× (残存期間の複利年金現価率 ÷ 設定期間の複利年金現価率)

複利年金現価率は、国税庁が公表する基準年利率に基づく表で確認します。残存期間が短くなるほど評価額は小さくなり、満了が近い定期借地権はごく小さな価額になります。なお、一般定期借地権の底地については、借地権割合に応じた一定の底地割合を使う簡便な評価方法が別途定められています。

一時使用目的の借地権

工事現場の仮設事務所や短期のイベント用地など、一時的な使用のための借地権です。借地借家法の保護が薄いため、普通借地権のような高い評価はせず、雑種地の賃借権に準じて評価します。具体的には、賃借権の登記の有無や権利金の支払い、堅固な構築物の有無などに応じて、自用地評価額の数%〜20%程度の範囲で評価するのが一般的です。

種類の判定と注意点

種類 評価の考え方 評価の目安
普通借地権 自用地 × 借地権割合 30〜90%
定期借地権 設定時の利益 × 残存期間で逓減 契約内容により大きく変動
一時使用 雑種地の賃借権に準じる 数%〜20%程度

契約書に「借地借家法第22条」「第23条」などの記載があれば定期借地権です。古い契約で書面がない場合は普通借地権として扱うのが原則です。権利金の支払いがない借地や、地代が固定資産税程度の「使用貸借」は借地権として評価しない(ゼロ)こともあり、契約の経緯の確認が欠かせません。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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