長年一緒に暮らしていても、婚姻届を出していない内縁の配偶者には法律上の相続権がありません。相続の場面では「他人」として扱われるため、何も準備していないと財産を受け取れず、住んでいた家から出なければならないこともあります。
財産を残す方法
- 遺言書:遺贈で財産を渡せます。ただし法定相続人(子や兄弟姉妹など)がいる場合、子や親には遺留分があるため、全財産を渡す内容は争いの原因になります
- 生命保険:受取人を内縁の配偶者にします(保険会社によっては、同居期間などの条件で認められます)。保険金は受取人固有の財産で、遺産分割の対象になりません
- 生前贈与:年110万円の非課税枠を使った贈与を計画的に行います
- 特別縁故者:相続人が誰もいない場合は、家庭裁判所に財産分与を申し立てられます
相続税の取り扱い
内縁の配偶者が遺贈や保険金で財産を取得した場合、相続税の計算では不利な扱いになります。
- 配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで非課税)は使えない
- 生命保険金の非課税枠は使えない(相続人ではないため)
- 2割加算の対象
- 小規模宅地等の特例も原則として使えない
- 相続開始前の生前贈与の加算対象にはなる(遺贈で財産を取得した場合)
不動産取得税・登録免許税
遺贈で不動産を取得した場合、法定相続人への相続と異なり不動産取得税がかかり、登録免許税も2%(相続は0.4%)です。
税負担が重くなる分、生前贈与や生命保険を早めに組み合わせた準備が有効です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。