人が亡くなると、生前に契約していたサービスの請求だけが残ります。電気・ガス・水道、携帯電話、動画や音楽の定額サービス、クレジットカードの利用残高など、放置すると引き落としが続き、口座が凍結されれば未払いになります。死亡日までの未払分は債務控除、死亡後の分は相続人が整理すべき費用という切り分けで対応します。
まず「引落し一覧」を作る
被相続人の通帳とクレジットカードの明細を直近3〜6か月分さかのぼり、定期的に引き落とされている項目を書き出します。月額数百円のサブスクは見落としやすく、明細の摘要欄でサービス名を特定します。スマートフォンのアプリストアの定期購入もここで確認します。
契約の種類別の対応
| 契約 | 対応 |
|---|---|
| 電気・ガス・水道 | 誰も住まないなら解約。相続人が住むなら名義変更 |
| 携帯電話 | 解約。契約期間途中でも、死亡による解約は解約金が免除される会社が多い。端末の分割残金は債務 |
| インターネット回線 | 解約または名義変更。レンタル機器の返却が必要 |
| 動画・音楽・新聞などのサブスク | 解約。年払いの未使用分は返金されないことが多い |
| クレジットカード | 解約。利用残高(リボ・分割を含む)は債務。付帯ポイントは原則消滅 |
| 生命保険料・損害保険料 | 死亡保険金の請求と、不要な契約の解約 |
携帯電話は、本人のスマートフォンを二段階認証に使っているサービスが多いため、他の手続きが終わるまで解約を急がないのが実務上のコツです。クレジットカードも、公共料金の決済に使われていれば先に決済方法を変更してから解約します。
債務控除になるもの・ならないもの
死亡日までに発生していた未払いの利用料金は、被相続人の確定した債務として相続財産から差し引けます。
例:10月15日死亡、携帯電話の10月分料金 8,000円(10月1日〜31日分) 債務控除 = 8,000円 × 15日 ÷ 31日 ≒ 3,871円(日割りにする場合)
実務では、死亡月の料金が少額であれば1か月分をそのまま計上することもありますが、厳密には日割りです。一方、死亡後の期間に対応する料金や、解約を怠ったことで発生した費用は、相続人の負担であり債務控除には含めません。
クレジットカードの利用残高は、死亡日時点の未決済額が債務控除の対象です。カード会社に死亡を伝えると、利用明細と残高の証明を発行してもらえます。相続放棄を検討している場合は、相続人がカードの残高を支払うと「相続を承認した」とみなされるおそれがあるため、支払う前に専門家へ相談してください。
記録の残し方
解約した日、解約金の有無、最終請求額を一覧に記録し、請求書や明細を相続税の申告書の債務控除の資料として保管します。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。