配偶者も子も親も兄弟姉妹もいない、あるいは全員が相続放棄した場合、法定相続人がいない状態になります。その場合の財産の行方と、関係する税金を解説します。
手続きの流れ
- 利害関係人(債権者、特別縁故者になりうる人など)や検察官が家庭裁判所に申し立て、相続財産清算人(2023年の改正で「相続財産管理人」から名称変更)が選任される
- 相続人を探す公告を行い、債権者や受遺者に弁済する
- 相続人が現れなければ、特別縁故者からの分与申立てを受けて、家庭裁判所が分与を判断する
- 残った財産は国庫に帰属する
特別縁故者とは
亡くなった方と生計を同じくしていた人(内縁の配偶者など)、療養看護に努めた人、その他特別の縁故があった人です。相続人の不存在が確定してから3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。
相続税の扱い
特別縁故者が財産の分与を受けた場合、遺贈により取得したものとして相続税がかかります。
- 財産の評価は、分与を受けた時点の価額
- 法定相続人がいないため、基礎控除は3,000万円のみ
- 配偶者・一親等の血族ではないので、2割加算の対象
- 分与があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告
遺言で備える
相続人がいない方や、内縁のパートナー・お世話になった人に財産を残したい方は、遺言書を作っておけば、長い手続きを経ずに希望どおりに財産を渡せます。遺言で受け取る人も相続税(2割加算)の対象になる点は同じですが、確実性がまったく違います。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。