相続税対策で孫を養子にしたが関係が悪化した、再婚相手の連れ子と養子縁組したが離婚した。こうした場合に養子縁組を解消する「離縁」をすると、相続はどう変わるのでしょうか。この記事では離縁の時期ごとの相続権と相続税の扱いを解説します。
離縁の方法と相続権への影響
| 離縁の時期 | 方法 | 相続権 |
|---|---|---|
| 養親の生前 | 協議離縁(届出)、調停・裁判離縁 | 養子は養親の相続人でなくなる |
| 養親の死後 | 死後離縁(家庭裁判所の許可が必要) | 養親の相続についてはすでに相続人として確定しており、影響しない |
生前に離縁すれば、その後に養親が亡くなっても養子に相続権はありません。養子の子(養親から見て孫)がすでに生まれていても、離縁により法律上の親族関係が終了するので、代襲相続も起きません。
養親の死後に離縁する「死後離縁」は、養親の親族との関係を断ち切るために行うことが多いもので、家庭裁判所の許可を得て届け出ます。この場合、養親の相続はすでに開始しているため、養子の相続権や取得した財産には影響しません。「死後に離縁して養子の相続分を取り消す」ことはできないと理解してください。
連れ子養子と離婚の関係
配偶者の連れ子と養子縁組した後に離婚しても、養子縁組は自動的には解消されません。離婚届とは別に離縁届を出さなければ、元配偶者の子が自分の相続人のまま残ります。「離婚したから関係ない」と思っていた元配偶者の連れ子が相続人として現れるケースは実際にあり、遺産分割で混乱の原因になります。離婚時に離縁もするかを確認しておくことが大切です。
相続税での扱い
相続税の計算では、相続開始時点で養子縁組が継続しているかどうかで判断します。
- 離縁済みの元養子は法定相続人の数に入らず、基礎控除や非課税枠も増えない
- 縁組中に受けた贈与は、離縁後に養親が亡くなった場合、相続人でないため原則として持ち戻しの対象にならない(遺贈や死因贈与を受けた場合は別)
- 縁組中に相続時精算課税を選択して贈与を受けていた場合、離縁後も精算課税の効力は続き、養親の相続時に贈与財産を加算して申告する必要がある
特に最後の点は見落としやすいところです。精算課税で2,000万円の贈与を受けた養子が離縁した場合、相続人ではなくなっても、養親の相続で2,000万円を相続財産に加えて相続税を計算し、相続人でないため2割加算の対象になります。
養子縁組は相続対策として有効ですが、解消のときの影響も含めて検討する必要があります。縁組や離縁の予定がある方は、税額への影響を無料相談でご確認ください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。