災害で相続財産が被害を受けたときの相続税の減免|災害減免法の仕組みと申告期限の延長

地震や水害で相続財産が被害を受けた場合、災害減免法により被害額を差し引いて相続税を計算したり、税額の免除を受けたりできます。被災の時期が申告期限の前か後かで異なる扱いと、申告・納付の期限延長を解説します。

相続の手続き中に地震や台風、水害などの災害が起き、相続した建物や家財が被害を受けることがあります。この場合、被害を受けた財産に通常どおり相続税がかかるのは酷なため、災害減免法によって税額を減らす仕組みが設けられています。被災が申告期限の前か後かで扱いが異なり、申告や納付の期限が延長される制度もあります。

申告期限前に被災した場合

相続開始後、申告期限より前に災害で財産が被害を受けた場合、被害を受けた部分の価額を相続財産から差し引いて相続税を計算できます。適用には次のいずれかの要件が必要です。

  • 被害を受けた財産の価額が、相続財産全体の価額の10%以上
  • 被害を受けた動産などの価額が、動産などの価額の10%以上

例えば、財産1億円のうち建物(評価額2,000万円)が全壊した場合、被害額2,000万円は財産の20%で要件を満たし、1億円-2,000万円=8,000万円をもとに相続税を計算します。保険金や損害賠償で補てんされた金額は被害額から除きます。

申告期限後に被災した場合

申告期限後に災害が起きた場合は、まだ納めていない相続税のうち、被害を受けた財産に対応する部分が免除されます。この場合も、被害額が財産の10%以上といった要件があります。延納中の税額や、納税猶予を受けている税額が対象になります。すでに納付済みの税額は対象外です。

被災の時期 扱い
申告期限前 被害額を財産から差し引いて計算
申告期限後 未納の税額のうち被害部分を免除

申告期限・納付期限の延長

災害によって申告や納付ができない場合、期限の延長が認められます。大規模災害では国税庁が地域を指定して一律に延長し、個別の事情がある場合は税務署長に申請して延長を受けます。期限の延長を受けると、その間の延滞税もかかりません。

また、相続税の納付が困難になった場合は、災害を理由とする納税の猶予(最長1年、延長で2年)を申請できる制度もあります。

手続き

災害減免法の適用を受けるには、申告書に「災害減免法の適用を受ける旨」と被害の状況を記載し、罹災証明書や被害額の計算書を添付します。申告期限後の免除は、災害のやんだ日から2か月以内に申請するのが原則です。期限は災害の種類や指定によって変わるため、最新の情報を確認してください。

被災直後は手続きどころではないことが多いと思います。落ち着いてからでも適用できる場合があるため、まずは被害の記録と証明書の取得を優先してください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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