小規模宅地等の特例は、申告書に所定の明細(第11・11の2表の付表)と添付書類を付けて初めて適用されます。添付が漏れると適用を否認されることもあるため、取得者の区分ごとに必要な書類を事前に把握しておくことが大切です。この記事では区分別に整理します。
すべてのケースで共通する書類
- 相続人全員が分かる戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)
- 遺言書の写し、または遺産分割協議書の写しと相続人全員の印鑑証明書
- 申告期限までに分割できない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」
特例は取得者が決まっていることが前提なので、分割に関する書類が中心になります。
居住用:取得者の区分別の書類
| 取得者 | 追加で必要な主な書類 |
|---|---|
| 配偶者 | 共通書類のみ |
| 同居親族 | 共通書類のみ(住民票などで同居を示せると安心) |
| 家なき子 | 相続開始前3年以内の住所が分かる書類(戸籍の附票の写しなど)、3年以内に住んでいた家が自分や配偶者等の所有でないことを示す書類(賃貸借契約書など) |
家なき子の場合、戸籍の附票は過去の住所の変遷を示すために使います。マイナンバーを申告書に記載する場合、一部の書類は省略できることがありますが、賃貸借契約書などは引き続き求められるのが一般的です。
老人ホーム入所の場合
被相続人が老人ホームなどに入所していた場合は、次の書類が追加で必要です。
- 被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始後に作成されたもの。入所前の住所を示す)
- 要介護認定・要支援認定を受けていたことを示す書類(介護保険の被保険者証の写しなど)
- 施設の入所契約書の写しなど、施設が法律上の要件を満たすものであることが分かる書類
事業用・貸付用・同族会社用
- 特定事業用:事業の継続が分かる書類(開業届、確定申告書など)。3年以内に開始した事業の場合は減価償却資産の明細
- 特定同族会社事業用:会社の定款の写し、相続開始直前の株主名簿(発行済株式の50%超を親族等が持つことを示す)、取得者が役員であることの証明
- 貸付事業用:賃貸借契約書の写し、相続開始前3年を超えて貸付事業を行っていたことを示す書類(3年以内に貸し始めた土地がある場合)
実務上の注意
戸籍の附票は本籍地の市区町村で取得し、除籍になっている場合は「除附票」になります。保存期間の関係で古い住所が取れないこともあるため、早めに請求しておくと安心です。書類の準備に不安があれば、無料相談で必要書類をご案内します。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。