預貯金は相続財産の中で最も分かりやすい財産ですが、評価と資料の集め方にいくつかの決まりがあります。
評価の方法
- 普通預金:死亡日の残高
- 定期預金:死亡日の残高 + 死亡日に解約した場合の利息(源泉徴収税額を引いた後の「既経過利息」)
既経過利息は金融機関に「既経過利息計算書」を発行してもらいます。少額でも加算が必要です。
残高証明書の請求
金融機関の窓口で、死亡日時点の残高証明書を請求します。戸籍や本人確認書類、相続人であることを示す資料が必要です。すべての支店の口座をまとめて証明してもらえる(名寄せ)ので、支店ごとに請求する必要はありません。
口座の凍結と仮払い制度
金融機関が死亡を知ると口座は凍結され、遺産分割が終わるまで原則として引き出せません。ただし2019年からの仮払い制度で、各金融機関ごとに「死亡時残高×1/3×法定相続分」(上限150万円)までは単独で払い戻しを受けられ、葬儀費用などに充てられます。
過去の入出金も確認される
相続税の申告では、死亡日の残高だけでなく、過去5〜10年程度の入出金を確認することが実務上重要です。大口の出金があれば、生前贈与や名義預金、手許現金の有無を確認します。税務調査でも必ず見られる部分なので、申告の段階で整理しておきます。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。