不動産の生前贈与にかかる費用|登録免許税2%・不動産取得税3%と相続との比較

不動産を生前贈与すると登録免許税は評価額の2%、不動産取得税は3%かかり、相続(登録免許税0.4%・取得税なし)より移転コストが大きくなります。約100万円の差が出る計算例と、それでも贈与が検討される4つの場面を解説します。

不動産を生前に贈与すると、贈与税のほかに登録免許税と不動産取得税がかかります。相続で引き継ぐ場合と比べると、この2つの税金だけで数十万円から百万円単位の差が出ることが珍しくありません。贈与と相続の費用を数字で比較します。

贈与と相続の税率の違い

税金 生前贈与 相続
登録免許税 固定資産税評価額×2.0% 固定資産税評価額×0.4%
不動産取得税 土地・住宅 評価額×3%(宅地は評価額の2分の1で計算、2027年3月末まで) 非課税
本体の税 贈与税(暦年または精算課税) 相続税

このほか、司法書士への登記報酬や、贈与契約書の作成費用がかかります。

計算例:固定資産税評価額2,000万円の土地と800万円の建物

生前贈与の場合

  • 登録免許税: (2,000万円+800万円)×2.0%=56万円
  • 不動産取得税: 土地 2,000万円×1/2×3%=30万円、建物 800万円×3%=24万円
  • 合計 110万円(贈与税は別途)

相続の場合

  • 登録免許税: 2,800万円×0.4%=11万2,000円
  • 不動産取得税: 0円
  • 合計 11万2,000円

同じ不動産でも、移転コストに約100万円の差があります。さらに贈与税は相続税より税率の上がり方が急で、暦年課税で2,800万円相当(相続税評価額ベース)を一度に贈与すれば1,000万円前後の贈与税になります。

それでも贈与が検討される場面

  • おしどり贈与: 婚姻20年以上の配偶者へ自宅を贈与。2,000万円の配偶者控除があり、持ち戻しもなし
  • 収益物件の贈与: 賃貸アパートを子に贈与すれば、以後の家賃収入が子に移り、親の現金の蓄積を防げる(建物のみの贈与が一般的)
  • 値上がりが確実な土地: 相続時精算課税で贈与時の価額に固定
  • 相続時に争いが予想される: 生前に名義を確定させる

いずれも移転コストと贈与税を払ってでも得られる効果があるかの比較が必要です。不動産取得税の住宅の軽減や、登記にかかる実費は自治体・物件で異なるため、実行前に見積もりを取ってください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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