ChatGPT・GeminiなどのAIに相続税を聞くときの使い方と限界|答えを申告に使う前に確かめる5つのこと

相続税をAIに質問する人が増えています。AIが得意な「制度の全体像」と、間違えやすい「改正後の数字・土地の評価・特例の細かい要件・端数処理」を具体例で整理し、前提の書き方と、答えを税理士の無料相談で確かめる手順をまとめます。

「自宅と預金4,000万円、相続人は妻と子2人。相続税はかかる?」と、ChatGPT や Gemini、Google の AI による回答に聞く人が増えています。当センターの無料相談でも「AIにはこう言われた」から始まる相談が珍しくなくなりました。結論から書くと、AIは制度の全体像をつかむには便利ですが、その答えをそのまま申告に使うのは危険です。 理由は、相続税は「前提の少しの違い」と「改正後の数字」で結論が変わる税金だからです。この記事では、AIが得意なこと・間違えやすいこと・確かめ方を整理します。

AIが得意なこと

  • 制度の全体像:基礎控除の考え方、法定相続人の順位、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が「どういう制度か」を、短い言葉で説明してくれます
  • 手続きの順番:相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税申告10か月といった期限の整理や、必要書類の一覧づくり
  • 質問の整理:自分が何を分かっていないかを言葉にする相手として使うと、税理士への相談が短く済みます

この範囲なら、AIの答えは入門書と同じ程度には信頼できます。

AIが間違えやすいこと(実際によくある例)

  1. 改正前の数字で答える:基礎控除を「5,000万円+1,000万円×法定相続人」と答えることがあります。これは2014年までの数字で、今は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。相続時精算課税の年110万円の基礎控除(2024年から)や、生前贈与の加算期間が3年から7年へ段階的に延びていること(2031年に完全に7年)も、古い情報のままのことがあります
  2. 土地の評価を「路線価×面積」で終わらせる:実際には、不整形地・間口の狭い土地・奥行きの長い土地・地積規模の大きな宅地・私道・がけ地などで評価が下がり、タワーマンションなどの分譲マンションは2024年から評価乖離率による補正が入ります。AIはここを飛ばして税額を多めにも少なめにも出します
  3. 特例の要件を単純化する:小規模宅地等の特例の「家なき子」の要件(2018年改正で厳格化)、配偶者の税額軽減と二次相続の関係、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)の「相続人以外が受け取ると使えない」といった細部を落とします
  4. 計算の端数処理と2割加算:各人の課税価格は千円未満切り捨て、相続税の総額は百円未満切り捨て、兄弟姉妹・孫(代襲を除く)は2割加算。AIの計算は一見もっともらしくても、ここで数万円単位のずれが出ます
  5. 自信のある口調で間違える:根拠の条文や通達を示さずに断定することがあります。断定の強さと正しさは関係がありません

前提を書けば、答えの精度は上がる

AIの答えがずれる最大の原因は、こちらが前提を書いていないことです。質問するときは、次を全部書いてください。

  • 亡くなった日(相続開始日。改正の適用関係が決まります)
  • 相続人の構成(配偶者の有無、子の人数、養子の有無、先に亡くなった子がいるか)
  • 財産の種類ごとの金額(自宅は固定資産税評価額ではなく路線価ベースの概算、預貯金、株式、生命保険の受取人と金額、借入金・葬式費用)
  • 亡くなる前7年以内の贈与と、相続時精算課税を使ったことがあるか
  • 分け方の予定(自宅を誰が相続するか、配偶者がどれだけ取るか)

そのうえで「根拠になる条文・通達・国税庁のページを示して」と頼むと、確かめやすい答えになります。

答えを申告に使う前に確かめる5つのこと

  1. 数字は国税庁のサイトで確認する:基礎控除・税率表・特例の要件は、国税庁のタックスアンサーが一次情報です。AIの答えに出てくる数字をそこで照合します
  2. 土地は評価明細書を作ってみる:路線価図を見て、形・間口・奥行き・道路との関係を確かめます。減額の余地があるかどうかで税額が大きく変わります
  3. シミュレーションで計算を検算する:当サイトの相続税シミュレーションは、法定相続人の順位・2割加算・配偶者の税額軽減を相続税法の手順どおりに計算します。AIの税額と比べてみてください
  4. 「かからない」という答えほど疑う:生命保険金・死亡退職金・名義預金・生前贈与の加算を足すと基礎控除を超える家は多く、申告が必要なのに不要と思い込むのが最も危険です
  5. 税理士の無料相談で前提ごと確認する:AIの答えを印刷して持って来ていただいて構いません。当センターは初回相談無料で、財産の概要と家族構成が分かれば、その場で申告の要否と費用(基本報酬99,000円〜・税込)をお伝えします

まとめ

AIは「制度を知る」「質問を整理する」には有用で、「自分の家の税額を決める」には不向きです。改正後の数字、土地の評価、特例の細かい要件、端数処理で結論が変わります。AIの答えは出発点にして、国税庁の一次情報とシミュレーションで検算し、最後は前提ごと税理士に確かめてください。無料相談はこちらからどうぞ。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

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