会社員が在職中に亡くなると、勤務先が福利厚生として加入している**団体生命保険(総合福祉団体定期保険など)**から死亡保険金が支払われることがあります。この保険金が「生命保険金」なのか「死亡退職金」なのかによって、使える非課税枠が変わります。
遺族が直接受け取る場合は生命保険金
団体定期保険の多くは、契約者が会社、被保険者が従業員、保険料は会社負担です。保険料を払っていたのは会社ですが、相続税では会社が負担した保険料は従業員本人が負担したものとして扱うのが原則です。そのため、遺族が保険会社から直接保険金を受け取る形であれば、通常の死亡保険金と同じく「生命保険金等」として相続税の対象になり、500万円×法定相続人の数の非課税枠が使えます。
会社が受け取って退職金として支給する場合
保険金の受取人が会社で、会社がその保険金を原資に遺族へ死亡退職金を支給する形もあります。この場合、遺族が受け取るのは死亡退職金なので、**死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)**の対象です。生命保険金とは別枠なので、両方の形で受け取れば2つの非課税枠を使えることになります。
| 受取の形 | 相続税での区分 | 非課税枠 |
|---|---|---|
| 遺族が保険会社から直接受取 | 生命保険金等 | 500万円×法定相続人の数 |
| 会社が受取→退職金として支給 | 退職手当金等 | 500万円×法定相続人の数(別枠) |
たとえば法定相続人が3人で、団体保険から遺族が直接1,000万円、会社から死亡退職金1,200万円を受け取った場合、それぞれの非課税枠1,500万円の範囲内なので、どちらも課税されません。
確認のポイントと注意点
- 会社の総務・人事に「保険金の受取人が誰か」「会社経由で支給するか」を確認します。支給通知書や保険会社の支払明細書で区分が分かります
- 会社が受け取った保険金の一部だけを遺族に支給し、残りを会社が保有する契約(ヒューマン・ヴァリュー特約など)もあります。遺族が受け取った額だけが対象です
- 会社が受け取った保険金を「弔慰金」として支給する場合は、弔慰金の非課税限度(業務上の死亡は普通給与の36か月分、それ以外は6か月分)の判定が先に入ります
- 相続放棄をしても保険金・退職金は受け取れますが、非課税枠は使えません
会社からのお金は、退職金・弔慰金・団体保険・未払給与が混在しがちです。会社の支給明細を区分ごとに整理してから申告書を作ることをおすすめします。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。