変額保険・外貨建て保険の死亡保険金はいくらで評価する?|為替レートと評価日

外貨建て保険の死亡保険金は、相続開始日の対顧客電信買相場(TTB)で円換算した額で評価します。変額保険は死亡時点の保険金額で評価します。10万ドルの保険金を例に計算を示し、受取時に為替が動いた場合の雑所得や非課税枠の適用も解説します。

米ドル建ての終身保険や、運用実績で保険金が変動する変額保険は、死亡保険金の額が円でいくらになるかが相続開始日まで決まりません。相続税の評価で使う日付と為替レートを間違えると、申告額がずれてしまいます。

外貨建て保険の評価:相続開始日のTTB

外貨で支払われる死亡保険金は、**相続開始日(死亡日)の対顧客電信買相場(TTB)**で円に換算して評価します。TTBは銀行が外貨を買い取るときのレートで、通常は取引金融機関のレートを使い、死亡日が休日ならその前の直近の営業日のレートを使います。

評価額 = 保険金額(外貨)× 相続開始日のTTB

たとえば死亡保険金10万ドルで、死亡日のTTBが1ドル=150円なら、評価額は10万ドル×150円=1,500万円です。法定相続人が2人なら非課税枠1,000万円を引いた500万円が課税対象になります。実際の受取日のレートが155円になっていても、評価はあくまで死亡日のレートです。

変額保険の評価:死亡時点の保険金額

変額保険は、基本保険金額に運用実績に応じた変動保険金額が加わる仕組みです。死亡保険金には最低保証(基本保険金額)があるものが多く、評価は死亡日時点で支払われることになる保険金額です。保険会社の支払通知書に記載された金額をそのまま使えます。年金形式で受け取る変額年金保険の場合は、年金受給権として定期金の評価を行います。

受取時に為替が動いた場合

外貨建て保険では、受取人が保険金を外貨のまま受け取り、後日円に換えることがあります。死亡日のレートで評価した額が相続税の対象で、**円転時のレートとの差額は受取人の為替差益(雑所得)**として所得税の対象になり得ます。外貨で受け取る場合は、死亡日のレートと円転日のレートの両方を記録しておいてください。円で受け取る契約なら、保険会社が受取日のレートで換算した円の額が支払われ、評価額との差は所得税の対象にならないとされています。

実務上の注意点

項目 確認すること
評価日 死亡日(受取日ではない)
レート 取引金融機関の死亡日のTTB
書類 保険会社の支払通知書、レートが分かる資料
非課税枠 円換算後の額に対して適用
  • 被保険者が家族で契約者が亡くなった方の外貨建て契約は、解約返戻金(外貨)をTTBで換算して「生命保険契約に関する権利」として評価します
  • 外貨建て保険は、死亡日から申告までの間に為替が大きく動くと納税資金に影響します。受取のタイミングも含めて検討してください

為替や運用で額が動く保険は、評価日と資料を揃えることが正確な申告の前提です。保険会社には「相続税申告用に、死亡日時点の保険金額と為替レートが分かる書類」を依頼しましょう。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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