確定給付企業年金・厚生年金基金の遺族給付は相続税の対象?|一時金と年金の違い

確定給付企業年金や厚生年金基金から遺族に支払われる遺族一時金や遺族年金は、退職手当金等や定期金に関する権利として相続税の対象になります。公的な遺族年金が非課税なのとは扱いが異なります。一時金・年金それぞれの評価と注意点を解説します。

会社の企業年金制度(確定給付企業年金=DB、厚生年金基金)に加入していた方が亡くなると、遺族に遺族給付金が支払われることがあります。国の遺族厚生年金は非課税ですが、企業年金からの遺族給付は相続税の対象になる点に注意が必要です。

一時金で受け取る場合

在職中に亡くなった場合や、年金の受給開始前に亡くなった場合に支払われる遺族一時金は、相続税法上の退職手当金等として扱われます。会社から支給される死亡退職金と合算し、500万円×法定相続人の数の非課税枠を適用します。

たとえば法定相続人が2人で、会社の死亡退職金700万円、企業年金の遺族一時金500万円なら、合計1,200万円から非課税枠1,000万円を引いた200万円が課税対象です。

年金で受け取る場合

年金受給中に本人が亡くなり、保証期間の残りを遺族が年金として受け取る場合や、遺族年金として支払われる場合は、定期金に関する権利として評価します。有期の年金であれば、解約返戻金相当額、一時金で受け取れる額、年額×複利年金現価率のうち最も多い額が評価額です。企業年金の場合は、年金を一時金で受け取れる選択肢がある制度が多く、その一時金の額が評価額になることが一般的です。

この評価額も退職手当金等として非課税枠の対象になります。受け取る各年の年金には所得税(雑所得)がかかりますが、相続税の対象になった部分は非課税で、運用益に相当する部分だけが課税されます。企業年金基金から送られる書類で課税部分を確認してください。

公的年金との違いと注意点

制度 遺族給付の相続税
国の遺族厚生年金・遺族基礎年金 非課税
厚生年金基金の代行部分(国の年金の代わりに運用していた部分) 非課税として扱われる
厚生年金基金の上乗せ部分・確定給付企業年金 課税(退職手当金等)

厚生年金基金には、国の厚生年金を肩代わりしている「代行部分」と、基金独自の「上乗せ部分」があり、代行部分に相当する遺族給付は公的年金と同じく非課税として扱われます。基金から届く支給決定通知で内訳を確認します。

勤務先の企業年金は、本人が退職から年数が経っていると家族が存在を知らないことがあります。年金の振込履歴や「企業年金連合会」からの通知を手がかりに確認してください。制度ごとの取扱いは変更されることがあるため、最新の情報を確認したうえで申告することをおすすめします。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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