形の悪い土地は、整った長方形の土地より使い勝手が悪いため、相続税評価でも「不整形地補正率」で減額できます。ただし、補正率を読み取るには「想定整形地」と「かげ地割合」を正しく求める必要があります。この記事では、その手順を順番に説明します。
手順1:想定整形地を描く
想定整形地とは、評価する土地の全体をすっぽり囲む、正面路線に接する最小の長方形(または正方形)のことです。公図や測量図の上で、道路に面する辺を一辺として描きます。土地が斜めに接道している場合は、道路に沿った向きで囲むのが基本です。
手順2:かげ地割合を計算する
かげ地とは、想定整形地のうち評価する土地が占めていない部分です。
かげ地割合 =(想定整形地の地積 − 評価する土地の地積)÷ 想定整形地の地積
たとえば評価する土地が240㎡で、想定整形地が400㎡なら、かげ地割合は(400 − 240)÷ 400 = 40%です。
手順3:地積区分と地区区分から補正率を読む
補正率は、国税庁の付表で「地区区分」「地積区分(A・B・C)」「かげ地割合」の3つから決まります。地積区分は地区ごとに面積の範囲が違い、普通住宅地区では500㎡未満がA、500㎡以上750㎡未満がB、750㎡以上がCです。
上の例(普通住宅地区・240㎡・かげ地割合40%)なら地積区分Aの列を見ます。かげ地割合40%は、普通住宅地区のAでは0.8台の補正率になります(正確な値は付表で確認してください)。
計算例と併用のルール
路線価20万円/㎡、奥行価格補正率1.00、不整形地補正率を仮に0.85とすると、
- 1㎡当たり:20万円 × 1.00 × 0.85 = 17万円
- 評価額:17万円 × 240㎡ = 4,080万円
整形地なら4,800万円ですから、720万円の減額です。
注意点として、不整形地補正率は間口狭小補正率と掛け合わせて使えますが、その積は0.60が下限です。また、奥行長大補正率とは同時に使えず、どちらか有利なほうを選びます。不整形地の評価には「区分して整形地として計算する方法」「近似整形地による方法」など複数の計算方法があり、どれを選ぶかで評価額が変わります。実務では複数の方法を試算して最も合理的で低い評価を採用するため、専門家に依頼する価値が大きい論点です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。